電験三種-試験の概要

【徹底解説】電験三種の難易度と合格率について【攻略のポイントつき】

第三種電気主任技術者(電験三種)は、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の保安監督業務を行う際に必要な国家資格です。

悩む受験者
悩む受験者
電験三種の難易度と合格率について教えてください。あと、合格率が低いって聞いたけどその理由や合格に必要なポイントについても知りたいな。

本記事では、上記の疑問を解決します。

電験三種の合格率は約10%とかなり低いですが、合格が不可能というわけではありません。電験三種の難易度を正確に把握して効率よく対策を練ることが大切です。

上記を深掘りして解説します。
電験三種を勉強する方で、難易度と対策法を両方知りたい方には必見です。

本記事の内容

上記の3本立てです。
電験三種の正確な難易度と合格率をポイントつきで詳しくご紹介します。

早速、みていきましょう。

本記事の信頼性

本記事の信頼性

本記事を書いている僕は、電験三種を含む電気の資格を複数取得済みです。電気の資格に関する案件も50件以上受注しています。

電験三種の難易度と合格率について

電験三種の難易度と合格率について

結論としては、電験三種の難易度は高めです。

電験三種の難易度

電気主任技術者試験は、電気を管理する資格なので電気関連の中では最高峰の知識が要求されます。そのため、電験で1番易しい電験三種でも難易度は非常に高い試験です。

電験三種の難易度偏差値は「58」とされており、施工管理技士の1級が「54」、第一種電気工事士が「52」なので、難易度の高さがわかります。

加えて、試験範囲が非常に広いので、長期的な勉強が必要です。

試験科目 出題内容 問題数
理論 電気理論や電子理論など A問題:14問
B問題:3問
電力 発電所や送配電線路の設計など A問題:14問
B問題:3問
機械 電気機器や照明、電力システムなど A問題:14問
B問題:3問
法規 電気法規や電気施設管理など A問題:10問
B問題:3問

試験科目や出題内容が上記のとおり。

A問題が各5点、B問題が各10点(法規は13~14点)といった配点です。試験時間も長くは設定されていないので、高い計算能力と応用能力が要求されます。

電験三種の合格率

毎年8%~10%の合格率です。
過去10年間における電験三種の実施データを確認しましょう。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 39,010人 3,836人 9.8%
令和元年度 41,543人 3,879人 9.3%
平成30年度 42,976人 3,918人 9.1%
平成29年度 45,720人 3,698人 8.1%
平成28年度 46,552人 3,980人 8.5%
平成27年度 45,311人 3,502人 7.7%
平成26年度 48,681人 4,102人 8.4%
平成25年度 49,575人 4,311人 8.7%
平成24年度 49,452人 2,895人 5.9%
平成23年度 48,864人 2,674人 5.5%

※スクロールすると上下左右に動きます。

近年の電験三種の合格率は8%~9%です。エネルギー管理士が約20%、電気工事士であれば一種が30~40%の合格率なので、難易度の高さがわかります。

ただ、合格が不可能というわけではありません。

電験三種は長期的に対策することで合格する力が身につきます。科目合格制度もあるため、3年以内で合格を目指すのも方法の1つ。

結局は、受験者のやる気が全てというわけです。

各科目ごとの合格率の推移

年度 科目 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 理論 31,936人 7,867人 24.6%
電力 29,424人 5,200人 17.7%
機械 26,636人 3,039人 11.4%
法規 30,828人 6,573人 21.3%
令和元年度 理論 33,939人 6,239人 18.4%
電力 30,920人 5,646人 18.3%
機械 29,975人 7,989人 26.7%
法規 33,079人 5,858人 17.7%
平成30年度 理論 33,749人 4,998人 14.8%
電力 35,351人 8,879人 25.1%
機械 30,656人 5,991人 19.5%
法規 33,594人 4,495人 13.4%
平成29年度 理論 36,608人 7,085人 19.4%
電力 36,721人 4,987人 13.6%
機械 32,850人 5,354人 16.3%
法規 35,825人 5,798人 16.2%
平成28年度 理論 37,622人 6,956人 18.5%
電力 35,352人 4,381人 12.4%
機械 36,612人 8,898人 24.3%
法規 35,198人 4,985人 14.2%

※スクロールすると上下左右に動きます。

科目別に見ると、合格率が10%~20%を推移してます。つまり、1科目ごとの難易度が超難関というわけではないことがわかります。

一発合格を狙う場合は難しい試験ですが、科目合格を用いて1~2科目ずつ合格するのであれば、決して合格が困難な試験ではありません。

困難な点があるとすれば「モチベーションの継続」です。
科目合格制度について詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。

▷▷電験三種の科目合格制度について

よくある質問:電験三種の勉強時間は1,000時間必要?

電験三種の勉強時間の目安は1,000時間と言われています。これには個人差がありますが、長期的な勉強が必要なのは事実です。

1,000時間を具体的に見ると1科目あたり250時間、毎日2~3時間勉強したとしても3ヶ月の期間を必要とします。

1科目あたりが3ヶ月なので4科目で1年の勉強期間というわけです。ただし、勉強の効率を良くすることで短くすることは可能。長期的な計画を立てて勉強を継続することが大切です。

電験三種は各科目でみた試験範囲も広いので、科目合格の難易度も易しくはありません。そのため、自分でスケジュールを管理する力が必要です。

長期的な勉強を覚悟して試験対策に臨みましょう。

▷▷電験三種を攻略するための勉強方法

電験三種の合格率が低い3つの理由

電験三種の合格率が低い3つの理由

電験三種の合格率が低い理由がこちら。

  • 基礎的な知識より応用能力が求められるため
  • 過去問題と類似した問題が出題されにくい
  • 受験資格がなく需要が高いため

サクッと見ていきましょう。

基礎的な知識より応用能力が求められるため

電験三種は実務に即した内容が出題されるため、参考書や問題集を淡々と勉強しても合格する力は身につきません。

参考書で知識をつけて問題集で知識を引き出しながら応用能力を鍛えるといった意識が大切です。苦手な分野であれば、これを特に意識してください。

参考書などに掲載されている基礎問題は実際の問題と比較して難易度が大幅に易しいので、過去問題を解いた際、難易度の差に挫折しがちです。

苦手分野は、モチベーションが低下して解ける問題ばかりと解こうとする受験者が多いので、応用能力を目標としてコツコツ継続できるかで合否がわかれます。

今までと違った難易度が合格率の低い原因です。

過去問題と類似した問題が出題されにくい

電験三種の試験では、基本的に過去問題と同じ内容は出題されません。問題のどこかが変わって出題されることがほとんどです。

そのため、他の試験と比較して対策しづらいといった点が合格率の低さにつながっています。丸暗記する勉強方法などはNGですね。

解決策としては、過去問の解答を暗記するのではなく、解き方を理解することが大切です。答えではなく、答えに至るまでの過程に注目しましょう。

本番では自分の力を信じるしかないので、自分の実力を上げておかなければ不安から頭が真っ白となって実力を発揮できません。

ほとんどの受験者が内容の難しさに挫折して過去問の解き方を暗記しようとするので、10%の合格者に入るには解き方の理解が大切です。

受験資格がなくて需要が高いため

電験三種には受験資格がないため、学歴や年齢に関係なく誰でも受験することが可能です。そのため、受験者が多いのが原因の1つとも言えます。

また、電気主任技術者は法律にて設置が定められているため、需要が高く安定しています。多くの企業が求めている人材となるので、就職や転職でも有利です。

電験三種は、需要の高さや活動の広さから将来性がある資格とされているので、受験者も電気資格の中では多い部類に該当します。

資格を保有すると資格手当が期待できるのも魅力ですね。

電験三種を攻略する3つのポイント

電験三種を攻略する3つのポイント

電験三種攻略のポイントは全部で3つ。

  • 応用能力を身につける
  • 勉強する科目の順番を決める
  • 評価の高い参考書や通信講座を利用する

深掘りして解説します。

応用能力を身に付ける

参考書を完璧に覚える必要はありません。
最低限の基礎が身についたら早急に問題集を解き始めましょう。

基礎知識も大切ですが、応用能力も重要です。早めに問題集を解き始めることで出題される問題の傾向が把握できて要点がわかりやすいといったメリットもあります。

ただし、闇雲に解くのはNG。
真剣に解いて間違えたところは徹底的に確認してください。

応用力を磨く意識を常に持って勉強することで本番の問題に対応できるだけの力が効率的に身につきます。

勉強する科目の順番を決める

理論 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気材料
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理

具体的な出題内容が上記のとおり。

電験三種は理論から勉強を始めましょう。
理論を既に合格している方は、法規の計算問題がおすすめです。

理論は電験三種の全科目における計算問題の基礎となる知識が多く出題されます。そのため、理論から知識を広げて勉強すると効率よく対策可能です。

理論の後は「法規」と並行して「電力」または「機械」を勉強しましょう。法規は暗記科目なので長期的に継続した勉強が合格の秘訣です。

勉強する順番の意識が効率の良い勉強にもつながります。
各科目の実践的な勉強方法については、次の記事もご覧ください。

▷▷理論の実践的な勉強方法
▷▷電力の実践的な勉強方法
▷▷機械の実践的な勉強方法
▷▷法規の実践的な勉強方法

評価の高い参考書や通信講座を利用する

電験三種の勉強には参考書や問題集が必要ですが、購入する際には知名度や評価の高さから選択すると失敗の可能性を減らせます。

おすすめの参考書ランキング5選

  1. これだけシリーズ ※失敗なし・間違いなしの人気参考書
  2. 誰でもわかるシリーズ ※初心者におすすめの入門書
  3. 完全マスターシリーズ ※情報網羅の実力派向け
  4. 電験三種 完全攻略 ※環境が整っている方向け
  5. 合格一直線シリーズ ※問題と知識を同時進行が可能

おすすめの参考書が上記のとおり。
経験を踏まえたうえで参考書を厳選したものです。

また、「日中時間がないけど電験三種を取得して仕事の幅を広げたい」といった方は通信講座の選択肢もあります。

通信講座は、参考書や問題集よりも高くなりますが、専門学校に通うよりかは安く受講できます。1年間の勉強の場合、1日あたり300円~500円の投資です。

通信講座の詳細については、「電験三種に強いおすすめの通信講座」で詳しくご紹介しているので是非ご覧ください。

SATの講座が1番おすすめ
ネタバレするとSATの講座が1番おすすめです。講座の中でも低価格・高品質でサポートも充実しています。いきなり申し込むのもOKですが、0円からスタートできる無料資料請求で行動するのもあり。講座の内容を詳しく確認できます。
▷▷SATの電験三種資料請求

電験三種に対するQ&A

電験三種に対してよくある質問をまとめます。
日頃、疑問に感じていることはこちらで確認してください。

受験に必要な資格はありますか?

ありません。年齢や学歴に関係なく誰でも受験可能です。

試験日と合格発表日はいつですか?

毎年秋頃に実施されます。試験日から約1か月後に合格発表が行われます。詳しくは「電験三種の試験日と合格発表日」をご覧ください。

どのような勉強方法で合格できますか?

勉強法に答えはありません。ただし、合格できない勉強方法は存在します。詳しくは「電験三種を攻略するための勉強方法」をご覧ください。受験者にあった勉強方法も解説しています。

科目合格制度って何ですか?

4科目取得してなくても「合格した科目は2年間受験が免除される制度」のことです。これを活用することで計画的に取得を狙えます。

詳しくは「電験三種の科目合格制度について」でも解説しておりますので、よろしければご覧ください。

そもそも電験三種を取得するとどうなるの?

第3種電気主任技術者(電験三種)を取得すると、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5,000KW以上の発電所を除く)の工事、維持及び運用の保安監督に従事できます。

高圧の電気設備であれば、ほとんどの設備が電験三種で補えるため、非常に需要の高い資格であることがわかります。

まとめ:電験三種の合格は不可能ではない

まとめ:電験三種の合格は不可能ではない

電験三種は難易度が高いですが、合格が不可能な試験ではありません。科目合格制度を用いながらもコツコツ対策することで合格できる試験です。

僕自身も3年かけて電験三種を取得しました。高校卒業の段階では3科目合格でしたが、それでも大手の電力会社グループに就職できるくらい力を発揮してくれた資格です。電験三種を保有しているだけでもメリットがあります。

上記は僕の経験談です。
電気の専門知識を有している証明になるため、取得して損はありません。

就職や転職にかなり有利なので、本記事で紹介した攻略のポイントや評価の高い参考書、時間がない方は通信講座を受講して電験三種を計画的に攻略しましょう。

明日からではなく、今からが大切です。
自分が今できることから即行動してください。

何から始めたら良いか分からない方は、次の記事が参考になれば幸いです。

おすすめの関連記事

▷▷電験三種を攻略するための勉強方法
▷▷電験三種でおすすめの参考書と問題集
▷▷電験三種に強いおすすめの通信講座

ABOUT ME
ワタル
電気科新卒→大手電力グループ会社に就職→2019年1月退職→ブログ立ち上げ→Webライターとしても活動中。【保有資格】第二種・第一種電気工事士、電験三種、エネルギー管理士(電気分野)、消防設備士乙6 他…
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