過去問ー第二種電気工事士

【平成28年度下期】第二種電気工事士筆記試験の問題と解答・解説

平成28年度第二種電気工事士下期筆記試験の解答と解説です。

問題を解いていない方は、10年間の過去問題の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。

平成28年度第二種電気工事士筆記試験 下期 解答・解説

問題1:一般問題

問1.イ 問2.ロ 問3.ロ 問4.ハ 問5.ハ
問6.ロ 問7.ロ 問8.ニ 問9.イ 問10.ニ
問11.ロ 問12.ニ 問13.イ 問14.ハ 問15.イ
問16.イ 問17.ニ 問18.ハ 問19.ロ 問20.ニ
問21.ハ 問22.ニ 問23.ニ 問24.ロ 問25.イ
問26.ニ 問27.ハ 問28.ロ 問29.ハ 問30.ニ

参照:電気技術者試験センター
※リンクをクリックすると問題の解説に移動します。

問1

問題
解答:イ

電流計が1Aを示していることから左側の並列回路にかかる電圧V1(V)は、
V1=8×1
=8(V)

この問題では、回路全体に流れる電流を知りたいので左側にかかる電圧を求めてから3つの並列回路に流れる電流を合計して回路全体の電流を算出します。

左側上部に流れる電流I1(A)は、
I1=V1/Rより、
=8/(4+4)
=1(A)

左側下部に流れる電流I2(A)は、
I2=V1/Rより、
=8/4
=2(A)

回路全体に流れる電流I(A)は、
I=2+1+1
=4(A)

オームの法則より、右側の4Ωにかかる電圧V2(V)は、
V2=4×4
=16(V)

よって、イが正解です。

問2

問題
解答:ロ

スイッチS1を閉じたとき、並列回路上部の30Ωの抵抗に電流は流れません。
S2を開いた時、並列回路右側に電流は流れません。

よって、この問題は30Ωの抵抗2つによる直列回路で構成されています。

つまり、合成抵抗値R(Ω)は、
R=30+30
=60(Ω)

よって、ロが正解です。

問3

問題
解答:ロ

直径2.6mmの銅導線の断面積A(m㎡)は、
A=πD²/4
=3.14×2.6²/4
≒5.3(m㎡)

つまり、断面積と長さが等しいものを選択すると抵抗値がほぼ等しくなるため、ロが正解です。

問4

問題
解答:ハ

cosΘは有効率のことなので、次の式で求められます。
cosΘ=Vr/V
=90/102
≒0.882
=88.2(%)

よって、ハが正解です。

問5

問題
解答:ハ

Y回路において、線間電圧E(V)は相電圧V(V)は√3倍の関係があります。
相電圧V(V)は、
V=6×20
=120(V)

これより、線間電圧E(V)は、
E=√3V
=√3×120
≒208(V)

よって、ハが正解です。

問6

問題
解答:ロ

今回の単相3線式回路の問題では、負荷が平衡していないため、中性線に流れる電流の大きさと向きを求めなければいけません。

問題において、中性線に流れる電流は電流の向きに注目して考えると、
I=20-10
=10(A)
であることがわかります。

このとき、中性線に流れる電流は右から左の正方向であるため、a-b間の電圧V(V)は、
V=103-20×0.1-10×0.1
=103-2-1
=100(V)

よって、ロが正解です。

問7

問題
解答:ロ

直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の周囲温度30℃以下における許容電流は35Aです。このとき、電線4本を金属管に収めた時の電流減少係数が0.63であることから電線1本あたりの許容電流は、

I=0.63×35
=22.05(A)
≒22(A)

よって、ロが正解です。

問8

問題
解答:ニ

三相3線式回路の電力損失は次の式で求められます。

P=3I²r
=3×10²×0.15
=45(W)

よって、ニが正解です。

問9

問題
解答:イ

配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の関係は、次の通りです。

  • イ:適切です。
  • ロ:不適切です。
    ⇒2.0mmの電線は接続できません。
  • ハ:不適切です。
    ⇒定格電流30Aのコンセントは接続できません。
  • ニ:不適切です。
    ⇒定格電流15Aのコンセントは接続できません。

よって、イが正解です。

問10

問題
解答:ニ

問題図において、a-b間の長さが8mを超えているので、電線の許容電流は、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上でなければいけません。

I≧0.55×60
≧33(A)

よって、許容電流の最小値は33(A)なのでニが正解です。

問11

問題
解答:ロ
  • イ:適切です。
    ⇒高速形漏電遮断器は定格感度電流における動作時間が0.1秒以下です。
  • ロ:不適切です。
    ⇒高速形漏電遮断器の定格感度電流は30mA以下です。
  • ハ:適切です。
    ⇒漏電遮断器は地絡電流を検出する零相変流器が内蔵しています。
  • ニ:適切です。
    ⇒漏電遮断器にはテストボタンと呼ばれる動作確認用のスイッチがあります。

よって、ロが正解です。

問12

問題
解答:ニ
  • イ:適切です。
    ⇒ねじなし電線管と金属製アウトレットボックスを接続する際に使用します。
  • ロ:適切です。
    ⇒ねじなしボックスコネクタにはボンド線接続用の接地端子があります。
  • ハ:適切です。
    ⇒電線の被覆を保護するための絶縁ブッシングがあります。
  • ニ:不適切です。
    ⇒ねじなしボックスコネクタの止めネジは頭部をねじ切れるまで回します。

よって、ニが正解です。

問13

問題
解答:イ
  • イ:不適切です。
    ⇒ネオン変圧器はネオン放電灯を放電させるものです。高圧水銀灯には安定器が用いられています。
  • ロ:適切です。
  • ハ:適切です。
  • ニ:適切です。

よって、イが正解です。

問14

問題
解答:ハ

ビニルコードを移動電線として使用する際には、電気を熱に変換しない器具にのみ限り使用できます。

よって、ハが正解です。

問15

問題
解答:イ

金属管工事では、金属管を切断する際に「金切りのこ」、切断面をやすりで仕上げて「リーマ」で金属管の内側の面取りを行います。金属管を曲げる際には「パイプベンダ」を使用します。

よって、イが正解です。

問16

問題
解答:イ

画像の材料は「1種金属線ぴ」です。幅が4cm未満のものは1種金属線ぴに該当します。幅が4cm~5cmのものは2種金属線ぴに該当します。幅が5cmを超えると金属ダクトです。

よって、イが正解です。

問17

問題
解答:ニ

画像の材料は「合成樹脂製のスイッチボックス」です。
これはVVFケーブル配線工事の際にスイッチやコンセントを取り付けるために使用されます。

よって、ニが正解です。

問18

問題
解答:ハ

画像の工具はVVF用のケーブルストリッパーです。
ストリッパーは、ケーブルの外装と絶縁被覆を剥きとるために使用します。

よって、ハが正解です。

問19

問題
解答:ロ
  • イ:適切です。
  • ロ:不適切です。
    ⇒管の長さが4m以下であれば省略できます。管の内側曲げ半径は、菅の内径の6倍以上にします。
  • ハ:適切です。
  • ニ:適切です。

よって、ロが正解です。

問20

問題
解答:ニ
  • イ:適切です。
  • ロ:適切です。
  • ハ:適切です。
  • ニ:不適切です。
    ⇒単相200Vの分岐回路はどちらの極も非接地側となるため、2極2素子の配線用遮断器を取り付ける必要があります。

よって、ニが正解です。

問21

問題
解答:ハ

金属管工事では、電線全部を同一の金属管に収めて電磁的並行を保つ必要があります。電磁的並行が保たれないと金属管が発熱するため危険です。

金属管に収める際には1回路の電線全部をハのように収めます。
よって、ハが正解です。

問22

問題
解答:ニ
  • イ:誤りです。
    ⇒ねじなし電線管の露出配線です。
  • ロ:誤りです。
    ⇒合成樹脂製可とう電線管(PF管)の天井隠ぺい配線です。
  • ハ:誤りです。
    ⇒厚鋼電線管の天井隠ぺい配線です。
  • ニ:適切です。

よって、ニが正解です。

問23

問題
解答:ニ

金属管工事、金属製可とう電線管工事、ケーブル工事による電線が、金属板張りの造営材を貫通する場合は、その部分の金属板張りを十分に切り開いて、その部分の金属管、金属製可とう電線管又はケーブルを耐久性のある絶縁管に収めなければいけません。

  • イ:不適切です。
  • ロ:不適切です。
  • ハ:不適切です。
  • ニ:適切です。

よって、ニが正解です。

問24

問題
解答:ロ
  • イ:適切です。
    ⇒器具への結線の未接続を発見する目的があります。
  • ロ:不適切です。
    ⇒電路の充電の有無は検電器にて通電してから行うものです。
  • ハ:適切です。
    ⇒回路の接続の正誤を判別する目的があります。
  • ニ:適切です。
    ⇒電線の断線・短絡を発見する目的があります。

よって、ロが正解です。

問25

問題
解答:イ

回路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。

今回の問題では、対地電圧が150V以下であるため絶縁抵抗値は0.1MΩ以上です。
よって、イが正解です。

問26

問題
解答:ニ

検電器は回路の充電の有無を確かめるために使用します。
よって、ニが正解です。

問27

問題
解答:ハ

力率は、次の式で求められます。

力率=電力/(電流×電圧)

つまり、電力と電流、電圧さえ分かれば算出できるため、必要なのは「電圧計」「電流計」「電力計」の3つです。

よって、ハが正解です。

問28

問題
解答:ロ
  • イ:適切です。
    ⇒第二種電気工事士であれば、作業に従事できます。
  • ロ:不適切です。
    ⇒自家用電気工作物の低圧部分の作業は、簡易工事に該当する認定電気工事従事者認定証の交付者もしくは第一種電気工事士でなければ従事できません。
  • ハ:適切です。
    ⇒第二種電気工事士であれば、作業に従事できます。
  • ニ:適切です。
    ⇒第二種電気工事士であれば、作業に従事できます。

よって、ロが正解です。

問29

問題
解答:ハ
  • イ:適切です。
    ⇒特定電気用品以外の電気用品を表します。
  • ロ:適切です。
    ⇒特定電気用品を表します。
  • ハ:不適切です。
    ⇒<PS>Eの記号は特定電気用品を表します。
  • ニ:適切です。
    ⇒問題文のとおりです。

よって、ハが正解です。

問30

問題
解答:ニ

今回のような問題は出題頻度の高い問題ですが、どんな建物かではなく、どのような「受電方法」でどのくらいの「発電設備」を有しているかを判断するのがポイントです。

  • イ:高圧受電で、受電電力の容量が55kWの機械工場
    ⇒高圧受電のため、自家用電気工作物の適用を受けます。
  • ロ:低圧受電で、受電電力の容量が40kW、出力15kWの非常用内燃力発電設備を備えた映画館
    ⇒出力10kWを超えている非常用内燃力発電設備を備えているため、自家用電気工作物の適用を受けます。
  • ハ:高圧受電で、受電電力の容量が55kWのコンビニエンスストア
    ⇒高圧受電のため、自家用電気工作物の適用を受けます。
  • ニ:低圧受電で、受電電力の容量が40kW、出力15kWの太陽電池発電設備を備えた幼稚園
    ⇒50kW未満の太陽電池発電設備を有しているため、一般用電気工作物の適用を受けます。

よって、ニが正解です。

問題2:配線問題

問31.イ 問32.ハ 問33.ロ 問34.ハ 問35.イ
問36.イ 問37.ニ 問38.ロ 問39.ロ 問40.ロ
問41.ニ 問42.ニ 問43.ハ 問44.ハ 問45.イ
問46.ハ 問47.ニ 問48.ロ 問49.イ 問50.ロ

参照:電気技術者試験センター
※リンクをクリックすると問題の解説に移動します。

問題図面

問31

問題
解答:イ

問32

問題
解答:イ

電気設備の技術基準の解釈第147条に定めるところにより、20A以下の配線用遮断器で保護される他の屋内電路に接続する長さ15m以下の電路から電気の供給を受ける場合は開閉器を省略できます。

よって、ハが正解です。

問33

問題
解答:ロ

電気設備の技術基準の解釈第21条にて、「地中電線にはケーブル工事を使用しなければならない」と定められています。

よって、ロが正解です。

問34

問題
解答:ハ

4が示す図記号は「電磁開閉器用押しボタン」です。
電磁開閉器を操作するために設置します。

よって、ハが正解です。

問35

問題
解答:イ

引込線取付点の地表上の高さは、原則として4m以上と定められていますが、技術上やむを得ない場合で交通に支障がない場合は、2.5m以上でもOKです。(電気設備の技術基準の解釈第116条)

よって、イが正解です。

問36

問題
解答:イ

6が示す図記号は「過負荷保護機能付漏電遮断器」です。
過電流の場合でも動作することが特徴です。

よって、イが正解となります。

問37

問題
解答:ニ.2極1素子の配線用遮断器

7の部分では、単相3線式100/200Vから単相200Vの分岐回路となるため、設置する配線用遮断器としては「2極2素子」以上のものを施設しなければいけません。

  • イ:2極にヒューズを取り付けたカバー付ナイフスイッチ
    ⇒適切です。
  • ロ:2極2素子の配線用遮断器
    ⇒適切です。
  • ハ:2極にヒューズを取り付けたカットアウトスイッチ
    ⇒適切です。
  • ニ:2極1素子の配線用遮断器
    ⇒不適切です。

よって、ニが正解です。

問38

問題
解答:ロ

8が示す部分は、単相3線式100/200V回路で使用電圧300V以下、対地電圧150V以下なので「D種接地工事」が施されます。

  • D種接地工事:使用電圧が300V以下
    ⇒100[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下
  • C種接地工事:使用電圧が300Vを超える低圧
    ⇒10[Ω]以下  ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下

また、接地線(軟銅線)の太さは1.6mm以上です。

今回の問題図面では、電源側に動作時間0.1秒以内の漏電遮断器が設置されているため、D種接地工事の接地抵抗値としては500Ω以下が適切となります。

よって、ロが正解です。

問39

問題
解答:ロ

電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。

9が示す部分は、三相3線式の200V回路です。
よって、ロが正解です。

問40

問題
解答:ロ

10が示す記号は「3極30A250V接地極付コンセント」です。

  • イ:2極20A250V接地極付コンセント
    ⇒不適切です。
  • ロ:3極30A250V接地極付コンセント
    ⇒適切です。極配置が変わらないのが特徴です。
  • ハ:3極20A250V引掛形コンセント
    ⇒不適切です。引掛けが下向きなのが特徴です。(上向きは30A用)
  • ニ:4極20A250V引掛形コンセント
    ⇒不適切です。引掛けが下向きなのが特徴です。(上向きは30A用)

よって、ロが正解です。

問41

問題
解答:ニ

問42

問題
解答:ニ

問43

問題
解答:ハ

問44

問題
解答:ハ

問45

問題
解答:イ

15が示す部分は「E19」と表記があるため、ねじなし電線管を用いた金属管工事であることが分かります。

  • イ:リード式ねじ切り器
    ⇒不適切です。金属管にねじを切る際に使用します。
  • ロ:金切りのこ
    ⇒適切です。金属管を切断する際に使用します。
  • ハ:パイプバイス
    ⇒適切です。金属管を切断する際に管を固定するために使用します。
  • ニ:パイプベンダ
    ⇒適切です。金属管の曲げ作業を行う際に使用します。

よって、イが正解です。

問46

問題
解答:ハ

よって、ハが正解です。

問47

問題
解答:ニ

17が示す部分は、波付硬質合成樹脂管(FEP)にCV5.5-2Cを収めた地中電線工事です。

  • イ:ケーブル埋設標識シート
    ⇒適切です。ケーブルが埋設されていることを表示するために使用します。
  • ロ:波付硬質合成樹脂管(FEP)
    ⇒適切です。ケーブルを収めるために使用します。
  • ハ:CVケーブル
    ⇒適切です。回路を構成するために使用します。
  • ニ:ねじなし電線管
    ⇒不適切です。金属管工事ではないため、使用しません。

よって、ニが正解です。

問48

問題
解答:ロ

18が示す部分は、ジョイントボックスを用いたケーブル工事です。
IV線の太さが14m㎡なので、リングスリーブを使用せず、P形スリーブを使用します。

  • イ:ケーブルカッタ
    ⇒適切です。ケーブルを切断する際に使用します。
  • ロ:リングスリーブE形用圧着ペンチ
    ⇒不適切です。E形リングスリーブを圧着するために使用します。問題の部分では使用しません。
  • ハ:電工ナイフ
    ⇒適切です。ケーブルや電線の被覆を剥く際に使用します。
  • ニ:油圧式圧着工具
    ⇒適切です。太い電線やP形スリーブを圧着接続する際に使用します。

よって、ロが正解です。

問49

問題
解答:イ

19が示す図記号は「電流計付開閉器」です。

  • イ:電流計付箱開閉器
    ⇒適切です。電動機の手元開閉器などの機器として活躍します。
  • ロ:カバー付きナイフスイッチ
    ⇒不適切です。レバー操作で回路を開閉します。
  • ハ:配線用遮断器
    ⇒不適切です。回路の開閉を行う遮断器です。
  • ニ:電磁開閉器
    ⇒不適切です。電動機の運転制御などに使用される開閉器です。

よって、イが正解です。

問50

問題
解答:ロ
  • イ:15A125V接地端子付コンセント
    ⇒使用されていません。
  • ロ:125A125V接地極付接地端子付コンセント
    ⇒洗面所に1個使用されています。
  • ハ:15A125V接地極付コンセント
    ⇒洗面所に1個使用されています。
  • ニ:15A125V抜け止め形接地端子付防雨形コンセント
    ⇒使用されていません。

よって、ロが正解です。

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