平成29年度第二種電気工事士下期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成29年度第二種電気工事士筆記試験 下期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.イ | 問2.ニ | 問3.ロ | 問4.ロ | 問5.ハ |
問6.ニ | 問7.イ | 問8.イ | 問9.ハ | 問10.イ |
問11.ロ | 問12.ハ | 問13.ニ | 問14.イ | 問15.ロ |
問16.ハ | 問17.ロ | 問18.イ | 問19.ロ | 問20.ニ |
問21.ロ | 問22.イ | 問23.ハ | 問24.ハ | 問25.イ |
問26.ロ | 問27.ハ | 問28.ニ | 問29.ニ | 問30.ハ |
参照:電気技術者試験センター
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問1
問題
解答:イ
回路に流れる電流I(A)は、
I=V/R
=(100+100)/(40+60)
=2(A)
この問題で抵抗60Ωに加わる電圧は、2×60=120(V)です。
この問題で電池の電圧100Vと抵抗60Ωに加わる電圧は極性が同じです。
つまり、a-b間の電圧Vabはその差分となります。
Vab=120-100
=20(V)
よって、イが正解です。
問2
問題
解答:ニ
問題の回路におけるインピーダンスZ(Ω)は、
Z=√(8²+6²)
=√100
=10(Ω)
ここから回路に流れる電流I(A)を求めます。
I=V/Z
=100/10
=10(A)
よって、抵抗8Ωにかかる電圧は、
V=RI
=8×10
=80(V)
よって、ニが正解です。
問3
問題
解答:ロ
導線の電気抵抗を求める際、抵抗率をρ(Ω・m)、長さをL(m)、断面積をA(㎡)とすると、次の式で求められます。
R=ρL/A (Ω) ⇒①
また、断面積は
A=πD²/4
=(π×(D×10-³)²)/4
これを①に代入すると最終的に次の式となります。
R=4ρL/πD² ×106
よって、ロが正解です。
問4
問題
解答:ロ
消費電力をP(kW)、使用時間をt(h)とすると、発熱量Q(kJ)は、次の式で求められます。
Q=3,600Pt
=3,600×0.4×(4/3)
=1,440×(4/3)
=1,920(kJ)
よって、ロが正解です。
問5
問題
解答:ハ
1相あたりのインピーダンスをZ(Ω)とすると、
Z=√(6²+8²)
=√100
=10(Ω)
Δ回路では、線電流=相電流となるため、電流I(A)は、
I=V/Z
=200/10
=20(A)
全消費電力P(kW)は、1相あたりの消費電力を3倍すればよいので、
P=3I²R
=3×20²6
=7,200(W)
=7.2(KW)
よって、ハが正解です。
問6
問題
解答:ニ
電線の抵抗は1mあたりr(Ω)であるため、長さL(m)の場合は、rL(Ω)となります。
この時の電圧降下v(V)は、
v=2rLI によって求められます。
単相2線式において、抵抗負荷の両端の電圧は
V2=V1-2rLI
これの式を変形させると、
2rLI=V1-V2
つまり、2rLIを求めることでV1-V2の解答を導き出せます。
V1-V2=2×r×L×10
=20rL
よって、ニが正解です。
問7
問題
解答:イ
直径1.6mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流は、27Aです。
電線6本を収めた際の電流減少係数は0.56なので、電線1本あたりの許容電流I(A)は、
I=27×0.56
=15.12
≒15(A)
よって、イが正解です。
問8
問題
解答:イ
この問題は、電動機の定格電流Im(A)と、電熱器の定格電流Ih(A)を求めるのがポイントです。電動機の定格電流Im(A)の合計は、
Im=10(A)
また、電熱器の定格電流Ih(A)の合計は、
Ih=15+20
=35(A)
電動機の定格電流Imの合計が、電熱器の定格電流Ihの合計よりも小さいため、幹線の許容電流は、電動機と電熱器の定格電流の合計以上であれば問題ありません。
よって、許容電流I(A)は、
I=35+10
=45(A)
許容電流の最小値は45(A)となります。
よって、イが正解です。
問9
問題
解答:ハ
配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の関係は次のとおりです。
- イ:不適切です。
⇒定格電流30Aのコンセントは接続できません。 - ロ:不適切です。
⇒2.0mmの電線は接続できません。 - ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒定格電流15Aのコンセントは接続できません。
よって、ハが正解です。
問10
問題
解答:イ
幹線から分岐した回路には、過電流遮断器及び開閉器を設けなければいけません。
このとき、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流100(A)に対して許容電流が34(A)なので、許容電流は定格電流の34%、つまり35%以内です。
定格電流の35%より小さい場合は、a-b間の長さを3m以下にできます。
よって、イが正解です。
問11
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒配線用遮断器を集合して設置するのに用いるのは「分電盤」です。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問12
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒ネオン変圧器はネオン管を放電させるために施設します。高圧水銀灯は安定器がセットです。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問13
問題
解答:ニ
N=120f/pより、回転速度と周波数には比例の関係があります。
よって、50Hzから60Hzに変わると回転速度が増加します。
よって、ニが正解です。
問14
問題
解答:イ
- イ:適切です。
⇒リーマで金属管の内側の面取りを行います。 - ロ:不適切です。
⇒パイプベンダは金属管を曲げる工具です。 - ハ:不適切です。
⇒ボルトクリッパは吊りボルトや鉄線などを切断する際に使用します。 - ニ:不適切です。
⇒ガストーチランプは硬質塩化ビニル電線管を曲げる際に使用します。
よって、イが正解です。
問15
問題
解答:ロ
- イ:不適切です。
⇒LEDの方が寿命が20倍近く長くなります。 - ロ:適切です。
⇒LEDの方が明るく消費電力は小さくなります。 - ハ:不適切です。
⇒LEDは価格が高くなることがデメリットです。 - ニ:力率が高い
⇒LEDは力率が100%より少し低いのが特徴です。
よって、ロが正解です。
問16
問題
解答:ハ
画像が表す工具は「ホルソ」です。
ホルソは、プルボックスなどの穴あけ作業に使用します。
よって、ハが正解です。
問17
問題
解答:ロ
画像が表す器具は電磁開閉器で、○の部分は「電磁接触器」です。
よって、ロが正解です。
問18
問題
解答:イ
画像が表す材料はPF管用の「サドル」です。
PF管が動かない様に支持するために使用します。
よって、イが正解です。
問19
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒ねじなし電線管による露出配線工事を表しています。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問20
問題
解答:ニ
電線を接続する際には、電気抵抗を増加させてはいけません。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
よって、ニが正解です。
問21
問題
解答:ロ
湿気の多い場所では、1種金属製可とう電線管を用いることはできません。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問22
問題
解答:イ
2種金属製可とう電線管と金属管との接続には、コンビネーションカップリングを使用します。
- イ:不適切です。
⇒TSカップリングは硬質塩化ビニル電線管相互を接続する際に使用します。 - ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、イが正解です。
問23
問題
解答:ハ
ネオン変圧器の二次側の配線は、ネオン電線を使用したがいし引き工事により、ネオン電線の支持点間の距離を1m以下にしなければいけません。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒1m以下にしなければいけません。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問24
問題
解答:ハ
- イ:不適切です。
⇒絶縁抵抗測定は絶縁抵抗計(メガー)を使用します。 - ロ:不適切です。
⇒三相回路の相順(相回転)の確認は検相計を使用します。 - ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒消費電力量の測定には電力量計を使用します。
よって、ハが正解です。
問25
問題
解答:イ
回路の電圧と絶縁抵抗値の関係は、次のとおりです。
これを基に問題を見てみましょう。
- イ:不適切です。
⇒使用電圧200V、対地電圧200Vの回路は0.2MΩ以上であればOKです。 - ロ:適切です。
⇒対地電圧が150V以下なので、0.1MΩ以上であればOKです。 - ハ:適切です。
⇒対地電圧150V以下なので、0.1MΩ以上であればOKです。 - ニ:適切です。
問26
問題
解答:ロ
問27
問題
解答:ハ
クランプ形漏れ電流計を用いて、単相3線式の漏れ電流を測定する際は、全ての線をクランプの中に通すことで測定可能です。(中性線込み)
よって、ハが正解です。
問28
問題
解答:ニ
基本的に一般用電気工作物の作業で電線管に電線を収める作業等は、電気工事士でなければ従事できません。これを基に問題を見ていきましょう。
- イ:軽微な作業なので電気工事士以外でも作業に従事できます。
- ロ:軽微な作業なので電気工事士以外でも作業に従事できます。
- ハ:軽微な作業なので電気工事士以外でも作業に従事できます。
- ニ:軽微な作業に該当しないので電気工事士でなければ従事できません。
よって、ニが正解です。
問29
問題
解答:ニ
- イ:出力50kW未満の太陽電池発電設備は一般用電気工作物の適用を受けます。
- ロ:出力50kW未満の太陽電池発電設備、出力20kW未満の風力発電設備は、一般用電気工作物の適用を受けます。
- ハ:出力10kW未満の燃料電池発電設備は、一般用電気工作物の適用を受けます。
- ニ:出力が10kW以上の内燃力発電設備は、一般用電気工作物の適用を受けません。
よって、ニが正解です。
問30
問題
解答:ハ
電圧の種類については、次のとおりです。
よって、ハが正解です。
問題2:配線問題
問31.ニ | 問32.イ | 問33.ロ | 問34.ロ | 問35.ニ |
問36.ハ | 問37.イ | 問38.ハ | 問39.ニ | 問40.イ |
問41.ニ | 問42.ロ | 問43.ハ | 問44.ロ | 問45.ニ |
問46.イ | 問47.ロ | 問48.ニ | 問49.イ | 問50.ハ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ニ
屋外のユニットには「O」を表記します。
よって、「ニ」が正解となります。
ちなみに「O」は「Outdoor」の略です。
問32
問題
解答:イ
問33
問題
解答:ロ
3の図記号には「L」の表記があるため、「確認表示灯内蔵」であることが分かります。
よって、「ロ」の「確認表示灯を内蔵する点滅器」が正解です。
問34
問題
解答:ロ
4では「CV5.5-2C(PF)」と表記があります。
「CV」のCは、絶縁材料が「架橋ポリエチレン」であり、Vはシースが「ビニル」であることを表しています。
これにあったケーブルを選択すると、正解は「ロ」の「600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル」であることが分かります。
問35
問題
解答:ニ
地中電線路を直接埋設式により施設する場合の埋設深さは、車両及びその他の重量物の圧力を受けるか否かで異なります。
今回の問題では、重量物を受けるため、埋設深さは「1.2m」となります。
重量物を受けない場合の埋設深さは「0.6m」なのでセットで覚えておきましょう。
よって、「ニ」が正解となります。
問36
問題
解答:ハ
6の記号では「N」の記載があるため、「ナトリウム灯」となります。
よって、「ハ」が正解です。
ちなみにですが、水銀灯には「H」、メタルハライド灯には「M」の文字が記載されます。
問37
問題
解答:イ.0.1
電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。
問題にある回路は単相3線式100/200V回路であるため、対地電圧は150V以下です。
よって「イ」が正解となります。
問38
問題
解答:ハ
8の図記号は「抜け止め形コンセント」です。
- イ:引っかけ形コンセント
⇒不適切です。「T」の文字が記入されます。 - ロ:接地極付コンセント
⇒不適切です。「E」の文字が記入されます。 - ハ:抜け止め形コンセント
⇒適切です。「LK」の文字が記入されます。 - ニ:漏電遮断器付コンセント
⇒不適切です。「EL」の文字が記入されます。
よって、「ハ」が正解となります。
問39
問題
解答:ニ
9の示す部分では、使用電圧が300V以下の電気機器の金属製外箱に接地工事を施すことになるため、A種接地工事ではなく、D種接地工事であることが確定します。
また、動作時間が0.1秒以内に自動的に遮断する漏電遮断器も設置しているため、接地抵抗値は500Ωとなります。
よって、「ニ」が正解となります。
問40
問題
解答:イ
10の図記号では、「電磁開閉器用押しボタン」が接続されているため、「電磁開閉器」であることが分かります。
よって、「イ」が正解となります。
問41
問題
解答:ニ.小6個
問42
問題
解答:ロ
12ではリングスリーブを用いた圧着接続であるため、柄の色が「黄色」の圧着工具を使用します。
似たような物に裸端子を圧着する用の工具がありますが、これは柄の色が赤色です。
よって、「ロ」が正解となります。
問43
問題
解答:ハ
13では「E19」と表記があるため、ねじなし電線管を用いた金属管工事となります。
- イ:カップリング
⇒不適切です。薄鋼電線管相互を接続する際に使用します。 - ロ:TSカップリング
⇒不適切です。硬質塩化ビニル電線管相互を接続する際に使用します。 - ハ:ねじなしカップリング
⇒適切です。ねじなし電線管相互を接続する際に使用します。 - ニ:コンビネーションカップリング
⇒不適切です。2種金属製可とう電線管と金属管を接続する際に使用します。
よって、「ハ」が正解となります。
問44
問題
解答:ロ
問45
問題
解答:ニ
絶縁抵抗を測定するのは「絶縁抵抗計」です。
- イ:接地抵抗計
⇒不適切です。接地抵抗を測定するために3本の線があります。 - ロ:回路計(テスター)
⇒不適切です。直流・交流電圧、回路抵抗が測定できます。 - ハ:照度計
⇒不適切です。「受光部」と単位の「LUX」が特徴です。 - ニ:絶縁抵抗計
⇒適切です。単位の「MΩ」が特長です。
よって「ニ」が正解となります。
問46
問題
解答:イ
問47
問題
解答:ロ
地中配線工事には、「PF管」が使用されます。
- イ:パイプベンダ
⇒不適切です。金属管を曲げるために使用します。 - ロ:樹脂フレキシブル管カッタ
⇒適切です。合成樹脂可とう電線管を切断するために使用します。 - ハ:面取器
⇒不適切です。硬質塩化ビニル電線管の切断面の面取りに使用します。 - ニ:ガストーチランプ
⇒不適切です。硬質塩化ビニル電線管を加熱し、曲げ加工するために使用します。
よって、「ロ」が正解となります。
問48
問題
解答:ニ
18の図記号は「自動点滅器」です。
- イ:調光器
⇒不適切です。白熱灯の明るさ調整に使用します。 - ロ:電磁開閉器用押しボタンスイッチ
⇒不適切です。 - ニ:自動点滅器
⇒適切です。
よって、「ニ」が正解となります。
問49
問題
解答:イ
19の図記号は「低圧進相コンデンサ」です。
- イ:低圧進相コンデンサ
⇒適切です。 - ロ:ネオン変圧器
⇒不適切です。 - ハ:漏電火災警報器
⇒不適切です。 - ニ:チャイム用変圧器
⇒不適切です。
よって、「イ」が正解となります。
問50
問題
解答:ハ
- イ:防雨形単極スイッチ
⇒工場の出入口に使用されています。 - ロ:位置表示等内蔵スイッチ
⇒倉庫に使用されています。 - ハ:2極スイッチ
⇒どこにも使用されていません。 - ニ:確認表示灯内蔵スイッチ
⇒工場に使用されています。
よって、「ハ」の「2極スイッチ」が使用されていません。
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