平成29年度第二種電気工事士上期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成29年度第二種電気工事士筆記試験 上期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.イ | 問2.ニ | 問3.イ | 問4.ニ | 問5.イ |
問6.ハ | 問7.ロ | 問8.ハ | 問9.ロ | 問10.ニ |
問11.イ | 問12.イ | 問13.ハ | 問14.ロ | 問15.イ |
問16.ハ | 問17.ニ | 問18.ニ | 問19.ロ | 問20.ニ |
問21.ニ | 問22.ハ | 問23.ロ | 問24.ハ | 問25.ハ |
問26.ロ | 問27.ハ | 問28.ロ | 問29.イ | 問30.ニ |
参照:電気技術者試験センター
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問1
問題
解答:イ
回路において右側の並列回路は抵抗のない部分に電流が全て流れるため、a-b間の合成抵抗R(Ω)は、5Ωと5Ωの並列回路部分の合成抵抗値となります。
R=5×5/5+5
=2.5(Ω)
よって、イが正解です。
問2
問題
解答:ニ
力率cosΘは、回路の電圧をV、抵抗箇所にかかる電圧をVrとすると、次の式で求められます。
cosΘ=Vr/V ×100(%)
=180/204 × 100%
=88.23
≒88(%)
よって、ニが正解です。
問3
問題
解答:イ
断面積Aは直径Dの2乗に比例します。また、抵抗Rは長さLに比例し、断面積Aに反比例します。この関係から問題を解いていきます。
Aの長さはBの長さと比較して1/2倍です。
Aの直径Dは、Bの直径と比較して1/2倍であるため、断面積Aは1/4倍です。
つまり、抵抗と長さ、断面積の関係からAの抵抗値はBの抵抗値と比較して、
「長さだけで見ると1/2倍、断面積だけで見ると4倍」であることがわかります。
これをトータルで見ると、
1/2 × 4=2(倍)
つまり、Aの抵抗値はBの抵抗値の2倍であることがわかります。
よって、イが正解です。
問4
問題
解答:ニ
コンデンサを設置することで回路に進み電流が生じます。これは、コイルに流れる遅れ電流を打ち消すため、回路全体の電流は電圧と同相となります。
有効電流=回路全体の電流となるため、電流計の指示値は小さくなります。
よって、ニが正解です。
問5
問題
解答:イ
断線前は、Y結線の状態ですので、相電圧は、
V=200/√3
=115.6
≒116(V)
断線後は、2つの抵抗Rが直列に接続された200V回路となるため、a-o間の電圧Vは、
V=200/2
=100(V)
よって、イが正解です。
問6
問題
解答:ハ
回路において消費電力1,500Wの負荷部分から電流Iを計算すると
P=VI(W)より、
I=P/V
=1,500/100
=15(A)
また1,000mあたりの抵抗は5.0Ωであるため、10mあたりの抵抗r(Ω)は、
r=10/1,000 × 5
=0.05(Ω)
よって、電圧降下v(V)は、
v=2Ir
=2×15×0.05
=1.5(V)
よって、ハが正解です。
問7
問題
解答:ロ
直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流は35Aです。
電線を2本収めた時の電流減少係数は0.7であるため、電線1本あたりの許容電流I(A)は、
I=35×0.7
=24.5
≒24(A)
よって、ロが正解です。
問8
問題
解答:ハ
この問題では、電動機の定格電流と電熱器の定格電流を求めるのがポイントです。
電熱器の定格電流の合計Ih(A)は、
Ih=15+15
=30(A)
電動機の定格電流の合計Im(A)は、
Im=30+10
=40(A)
このとき、Im>Ih、Im≦50の関係が成り立ちます。
この場合の幹線の許容電流Iw(A)は、次のようにして求めます。
Iw≧1.25×Im+Ih
≧1.25×40+30
≧50+30
≧80(A)
つまり、幹線の許容電流の最小値は80(A)です。
よって、ハが正解です。
問9
問題
解答:ロ
配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の関係は次のとおりです。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒2.0mmの電線は接続できません。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問10
問題
解答:ニ
分岐する電線の許容電流が42(A)が、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流50(A)の55%以上(84%)なので、a-b間の長さに制限はありません。ただし、低圧分岐回路には問題図のように過電流遮断器及び開閉器を設ける必要があります。
よって、ニが正解です。
問11
問題
解答:イ
- イ:電線の被覆を損傷させないため
→適切です。絶縁ブッシングの目的を表しています。 - ロ:金属管相互を接続するため
→不適切です。 - ハ:金属管を造営材に固定するため
→不適切です。サドルの目的を表しています。 - ニ:電線の接続を容易にするため
→不適切です。
よって、イが正解です。
問12
問題
解答:ニ
- イ:寿命が短い
→不適切です。寿命が長いが適切です。 - ロ:発光効率が高い(同じ明るさでは消費電力が少ない)
→適切です。 - ハ:価格が高い
→適切です。 - ニ:力率が低い
→適切です。
よって、イが正解です。
問13
問題
解答:ハ
- イ:じか入れ(全電圧)始動での始動電流は全負荷電流の4~8倍である
→適切です。 - ロ:負荷が増加すると回転速度がやや低下する
→適切です。 - ハ:電源の周波数が60Hzから50Hzに変わると回転速度が増加する
→不適切です。N=120f/pにより、周波数と回転数は比例の関係にあります。
よって、ハが正解です。
問14
問題
解答:ロ
コンクリート壁に金属管を取り付ける際の材料及び工具の組み合わせで正しいのは「ロ」です。
よって、ロが正解です。
問15
問題
解答:イ
系統連系型の太陽電池発電設備では「パワーコンディショナ」が使用されます。
パワコンは、太陽電池が発電した直流電力を、一般で使用できる交流電力に変換する働きを持った装置です。
よって、イが正解です。
問16
問題
解答:ハ
写真が示す工具は「合成樹脂管用カッタ」です。
「塩ビカッタ」とも呼ばれ、硬質塩化ビニル電線管の切断に使用されます。
よって、ハが正解です。
問17
問題
解答:ニ
画像が表す器具は「配線用遮断器(電動機保護兼用)」です。
定格電流10Aまたは200V2.2kWのモーターブレーカーとしても使用できます。
よって、ニが正解です。
問18
問題
解答:ニ
画像が表す測定器は「照度計」です。
照度を測定する際に使用します。
よって、ニが正解です。
問19
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒防護装置に収めて施設しなければいけません。基本的に認められているのは金属管工事、ケーブル工事、合成樹脂管工事の3種類です。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問20
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
⇒単相200V回路では、2極2素子の配線用遮断器を取り付けなければいけません。 - ロ:適切です。
⇒単相100V回路では、2極1素子または2極2素子の配線用遮断器を取り付けなければいけません。 - ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒素子のない極に中性線を結線しなければいけません。
よって、ニが正解です。
問21
問題
解答:ニ
ライティングダクト工事は、湿気の多い場所又は水気のある場所には施設できません。
- イ:適切です
- ロ:適切です
- ハ:適切です
- ニ:不適切です
⇒湿気の多い場所には施設できません。
よって、ニが正解です。
問22
問題
解答:ハ
低圧の屋側配線又は屋外配線では、金属線ぴ工事は認められていません。
使用電圧300V以下の屋側配線又は屋外配線はがいし引き工事(点検できない隠ぺい場所を除く)、金属管工事、合成樹脂管工事、金属可とう電線管工事、バスダクト工事(点検できない隠ぺい場所を除く)、ケーブル工事のいずれかで施設する必要があります。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒金属線ぴ工事は認められていません。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問23
問題
解答:ロ
水気のある場所では、漏電遮断器(定格感度電流15mA、動作時間0.1秒以下)を施設してもD種接地工事を省略できません。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒省略できません。 - ハ:適切です。
⇒500Ω以下であればOKです。 - ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問24
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒検相器は三相回路の相順を測定するために使用します。回転速度は回転計を用いて計測します。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問25
問題
解答:ハ
絶縁抵抗測定が難しい場合には、使用電圧が加わっている状態での漏えい電流が1.0mA以下であれば良いとされています。
よって、ハが正解です。
問26
問題
解答:ロ
接地抵抗測定の前には、次の2つを確認します。
- 電池の容量が正常であるか
- 接地極の地電圧が許容値以下であるか
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒端子間を開放して測定し、零点の調整をすることはありません。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
問27
問題
解答:ハ
- 電圧計:負荷と並列
- 電流計:負荷と直列
- 電力計:電流コイルを直列、電圧コイルを並列
計測器は上記の方法で接続します。
これを回路に当てはめて考えるとハが正解です。
問28
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒電気工事の作業に従事する際は電気工事士免状を携帯しなければいけません。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問29
問題
解答:イ
- イ:不適切です。
⇒両方とも電気工事士でなくとも作業に従事できます。 - ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、イが正解です。
問30
問題
解答:ニ
- イ:カバー付ナイフスイッチ
⇒特定電気用品以外の適用を受けます。 - ロ:電磁開閉器
⇒特定電気用品以外の適用を受けます。 - ハ:ライティングダクト
⇒特定電気用品以外の適用を受けます。 - ニ:タイムスイッチ
⇒特定電気用品の適用を受けます。
よって、ニが正解です。
問題2:配線問題
問31.ハ | 問32.ニ | 問33.ロ | 問34.ハ | 問35.ロ |
問36.ニ | 問37.ロ | 問38.イ | 問39.イ | 問40.イ |
問41.ハ | 問42.ニ | 問43.ニ | 問44.イ | 問45.ロ |
問46.イ | 問47.ハ | 問48.ロ | 問49.ロ | 問50.ニ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ハ
- イ:配電盤
⇒不適切です。使用しません。 - ロ:制御盤
⇒不適切です。使用しません。 - ハ:分電盤
⇒適切です。設置します。 - ニ:実験盤
⇒不適切です。使用しません。
よって、「ハ」が正解となります。
問32
問題
解答:ニ
2では「PF22」とありますが、これが配線工事で用いる管の表記です。
- イ:波付硬質合成樹脂管
⇒「FEP」と表記します。この問題では不適切です。 - ロ:硬質塩化ビニル電線管
⇒「VE」と表記します。この問題では不適切です。 - ハ:耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管
⇒「HIVE」と表記します。この問題では不適切です。 - ニ:合成樹脂製可とう電線管
⇒「PF」と表記します。この問題に適切の電線管です。
よって、「ニ」が正解となります。
問33
問題
解答:ロ
水銀灯には「H」を用いて表記します。
- イ:N100
⇒不適切です。Nは「ナトリウム」を意味します。 - ロ:H100
⇒適切です。Hは「水銀灯」を意味します。 - ハ:M100
⇒不適切です。Mは「メタルハライド」を意味します。
基本的にはこの3種類の電球を覚えておきましょう。
よって、「ロ」が正解となります。
問34
問題
解答:ハ
4の図記号は「誘導灯」です。
よって、「ハ」が正解となります。
問35
問題
解答:ロ
5の図記号は「確認表示灯付電磁開閉器押しボタン」です。
よって、「ロ」が正解となります。
問36
問題
解答:ニ
6の図記号は「電力量計」です。
単位の「Wh」が図記号に表記されているのが特徴となります。
よって、「ニ」が正解です。
問37
問題
解答:ロ.0.2
電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。
7の電路は3相3線式の200V回路です。
よって、対地電圧が150Vを超え、使用電圧は300V以下となります。
つまり「ロ」の「0.2MΩ」が正解です。
問38
問題
解答:イ.2
問39
問題
解答:イ.T
引っ掛け形のコンセントの図記号には「T」を表記します。
- イ:T⇒引っ掛け形コンセント
⇒適切です。 - ロ:ET⇒接地端子付コンセント
⇒不適切です。 - ハ:EL⇒漏電遮断器付コンセント
⇒不適切です。 - ニ:LK⇒抜け止め形コンセント
⇒不適切です。
よって、「イ」が正解となります。
問40
問題
解答:イ.2.5
引込線取付点の地表上の高さの最低限は「2.5m以上」です。
これは、技術上やむを得ない場合で、交通に支障が無い場合になります。
よって「イ」が正解です。
問41
問題
解答:ハ
11の図記号は「20A250V接地極付コンセント」です。
- イ:20A250V接地極付接地端子付コンセント
⇒不適切です。接地端子の表記はありません。 - ロ:20A125V接地極付コンセント
⇒不適切です。125Vではなく、250Vになります。 - ハ:20A250V接地極付コンセント
⇒適切です。 - ニ:20A125V接地極付接地端子付コンセント
⇒不適切です。250Vかつ接地端子の表記はありません。
よって、「ハ」が正解となります。
問42
問題
解答:ニ
問43
問題
解答:ニ
写真に圧着端子と接地線を圧着接続する際には「裸圧着端子・スリーブ用圧着工具」を使用します。柄の色が赤色なのが特徴です。
似たようなものに「リングスリーブ用圧着工具」がありますが、これは柄の色が黄色なのが特徴となります。
よって、「ニ」が正解です。
問44
問題
解答:イ
14の図記号は「フロートレススイッチ電極(3極)」です。
写真の中で、フロートレススイッチは「イ」になります。
よって、「イ」が正解です。
問45
問題
解答:ロ
15の図記号は「プルボックス」です。
イの「アウトレットボックス」と間違えやすいので注意しましょう。
よって、「ロ」が正解となります。
問46
問題
解答:イ
16では「E19」の表記があるため、ねじなし電線管を用いた金属管工事であることが分かります。
- イ:リード式ねじ切り器
⇒ねじを切るときに使用しますが、今回はねじがないので使用しません。 - ロ:金切りのこ
⇒電線管などを切断する際に使用します。 - ハ:パイプベンダ
⇒金属管の曲げ作業に使用します。 - ニ:平やすり
⇒金属管などのバリ取りなどに使用します。
よって、「イ」の「リード式ねじ切り器」が使用しないため、正解となります。
問47
問題
解答:ハ
問48
問題
解答:ロ
問49
問題
解答:ロ
19の図記号は「ダウンライト(埋め込み器具)」です。
- イ:「シャンデリア」です。
⇒不適切です。 - ロ:「ダウンライト(埋込器具)」です。
⇒適切です。 - ハ:「コードペンダント」です。
⇒不適切です。 - ニ:「蛍光灯」です。
⇒不適切です。
よって、「ロ」が正解となります。
問50
問題
解答:ニ
- イ:確認表示灯付電磁開閉器押しボタン
⇒受水槽室にて使用されています。 - ロ:3路スイッチ
⇒ホールの階段にて使用されています。 - ハ:位置表示灯内蔵スイッチ
⇒集会所、ポンプ室、受水槽室にて使用されています。 - ニ:確認表示灯内蔵スイッチ
⇒どこにも使用されていません。
よって、「ニ」が正解となります。
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