平成27年度第二種電気工事士上期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成27年度第二種電気工事士筆記試験 上期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.ハ | 問2.ロ | 問3.イ | 問4.ニ | 問5.ハ |
問6.ニ | 問7.イ | 問8.ロ | 問9.ロ | 問10.ニ |
問11.イ | 問12.イ | 問13.ロ | 問14.ニ | 問15.ニ |
問16.イ | 問17.イ | 問18.ハ | 問19.ハ | 問20.ロ |
問21.ロ | 問22.ニ | 問23.ニ | 問24.ハ | 問25.イ |
問26.ロ | 問27.ハ | 問28.ニ | 問29.ロ | 問30.ハ |
参照:電気技術者試験センター
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問1
問題
解答:ハ
問題回路下部左側の並列回路における合成抵抗は、4Ωが2個なので2Ωです。
このとき、下部の回路は2Ωと4Ωの直列回路の合成抵抗となるため6Ωです。
このとき、回路の合成抵抗は4Ωと6Ωの並列回路の合成抵抗値となるため、
R=(4×6)/(4+6)
=24/10
=2.4(Ω)
よって、ハが正解です。
問2
問題
解答:ロ
並列回路における力率cosΘは、回路の全体に流れる電流I(A)と抵抗分に流れる電流Ir(A)を用いて次の式で求められます。
cosΘ=Ir/I
=6/10
=0.6
=60(%)
よって、ロが正解です。
問3
問題
解答:イ
導体の抵抗Rは、次の式で求められます。
R=ρL/A (Ω) ⇒①
このとき、抵抗Rは回路の長さに比例していることが分かります。
また、断面積は直径の2乗に比例するため、抵抗Rは直径の2乗に反比例します。
AとBの直径と長さそれぞれを比較していきましょう。
長さにおいては、BがAの2倍の長さです。
断面積においては、Bの直径がAの直径の2倍あるため、Bの断面積はAの4倍です。
このとき、①の式から関係をそれぞれ見ていきましょう。
長さだけで見た際にAの抵抗はBの1/2倍であることがわかります。
一方で、断面積だけで見るとAの抵抗はBの4倍であることがわかります。
つまり、合計の大きさとしては、1/2 ×4=2(倍)
よって、イが正解です。
問4
問題
解答:ニ
コンデンサを設置することで負荷に流れる遅れ電流を無効化させます。
このとき、負荷の電流としては抵抗分のみとなるため、設置前と比較して電流が小さくなります。
よって、ニが正解です。
問5
問題
解答:ハ
図中の×箇所で断線した場合断線後の電圧は断線前と変わることがありません。
よって、a-c間の電流I(A)は、
I=E/R(A)
よって、ハが正解です。
問6
問題
解答:ニ
負荷が平衡している三相3線式回路における電力損失P(W)は次の式で求められます。
P=3I²r
P=3×10²×0.15
=45(W)
よって、ニが正解です。
問7
問題
解答:イ
直径1.6mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の許容電流は27Aです。
この電線3本を金属管に収めた場合の電流減少係数は0.7なので、このときの許容電流は、
27×0.7=18.9≒19(A)
よって、イが正解です。
問8
問題
解答:ロ
この問題は、電動機の定格電流の合計値をまず求めます。
Im=12×5
=60(A)
この時、需要立が80%なので、
Im=60×0.8
=48(A)
定格電流Im≦50Aであるため、幹線の許容電流は、
Iw≧1.25×48
≧60A
よって、ロが正解です。
問9
問題
解答:ロ
幹線から分岐回路を施設する際に分岐点から3m以下のところに配線用遮断器及び開閉器を施設しなければいけませんが、過電流遮断器の定格電流の35%以上であれば8m以下にできます。
このときの許容電流はIw(A)は、
Iw≧0.35×100
≧35(A)
よって、許容電流の最小値は35(A)となるため、ロが正解です。
問10
問題
解答:ニ
配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の組み合わせは次のとおりです。
- イ:不適切です。
⇒2.6mm(5.5m㎡)以上の太さの電線を使用しなければいけません。 - ロ:不適切です。
⇒定格電流20A以下のコンセントを施設しなければいけません。 - ハ:不適切です。
⇒定格電流20A以上30A以下のコンセントを施設しなければいけません。 - ニ:適切です。
よって、ニが正解です。
問11
問題
解答:イ
プルボックスは、アウトレットボックスで対応できない多くの金属管が集合する場所や太い金属管を配管する場所などに使用されます。もしくは、電線の引き入れを簡単にするためであったり、電線相互を接続したりする際に使用します。
よって、イが正解です。
問12
問題
解答:イ
漏電遮断器は、地絡電流(漏れ電流)を検出する零相変流器が内蔵されています。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
- ハ:不適切です。
- ニ:不適切です。
よって、イが正解です。
問13
問題
解答:ロ
この問題は、公称断面積と許容電流の関係を把握している必要があります。
公称断面積1.25m㎡のゴムコード(周囲温度30℃以下)の許容電流は、12Aです。
定格電圧は100Vなので消費電力は、電流と電圧から
100V×12A=1,200Wが最大であることが分かります。
- イ:600Wの電気炊飯器
⇒適切です。流れる電流は6Aです。 - ロ:1,000Wのオーブントースター
⇒適切です。流れる電流は10Aです。これが最大となります。 - ハ:1,500Wの電気湯沸器
⇒不適切です。流れる電流が15Aとなります。 - ニ:2,000Wの電気乾燥器
⇒不適切です。流れる電流は20Aとなります。
よって、ロが正解です。
問14
問題
解答:ニ
- イ:ちらつきが少ない
⇒適切です。周波数が高いためちらつきが感じにくくなります。 - ロ:発光効率が高い
⇒適切です。ランプの発光効率は高いのが特徴です。 - ハ:インバータが使用されています。
⇒適切です。インバータ回路が用いられています。 - ニ:点灯に要する時間が長い
⇒不適切です。スイッチを入れて約1秒で点灯します。
問15
問題
解答:ニ
金属管工事の切断及び曲げ作業は、金切りのこで金属管を切断した後、やすりで切断面を仕上げます。金属管を曲げるにはパイプベンダを使用します。
この問題で登場するパイプレンチは、太い薄鋼電線管や厚鋼電線管を接続する際に使用します。リーマは金属管の内側の面取り作業で使用します。
トーチランプは硬質塩化ビニル電線管を曲げる際に使用するものです。
よって、ニが正解です。
問16
問題
解答:イ
画像の機器は「低圧進相コンデンサ」です。
進相コンデンサは、回路の力率改善を目的として使用されます。
よって、イが正解です。
問17
問題
解答:ハ
画像が示す機器は「検相器」です。
検相器は、三相回路のR相・S相・T相が正しく結線されているかを調べる際に用いられる機器です。
よって、ハが正解です。
問18
問題
解答:ハ
画像が示す材料は「ノーマルベンド」です。
ノーマルベンドは、金属管が直角に曲がる箇所にて使用される材料です。
よって、ハが正解です。
問19
問題
解答:ハ
リングスリーブと圧着マークの関係については、次の表をご覧ください。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒1.6mm4本の接続は「小」の圧着マークを付けます。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問20
問題
解答:ロ
低圧進相コンデンサは、回路の力率改善を目的として使用されます。
接続については、電動機の出力に応じた容量のコンデンサを個々に接続しますが、運転時は低圧進相コンデンサと電動機が電源に対して並列に接続されていなければいけません。
よって、イが正解です。
問21
問題
解答:ロ
管灯回路では、ネオン電線を使用したがいし引き工事が採用されるため、管灯回路の配線と弱電流電線の離隔距離を10cm以上にしなければいけません。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒離隔距離を10cm以上にする必要があります。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問22
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
⇒金属管工事には施設場所に制限がありません。 - ロ:適切です。
⇒合成樹脂管工事には施設場所に制限がありません。 - ハ:適切です。
⇒ケーブル工事には施設場所に制限がありません。 - ニ:不適切です。
⇒ライティングダクト工事が使用できるのは、使用電圧が300V以下で展開した場所及び点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所に限られます。
よって、ニが正解です。
問23
問題
解答:ニ
問題文に注目すると電源からの非接地線(黒線)がa、接地線(白線)がbです。
このとき、パイロットランプはイ(換気扇)が運転している時に確認表示灯が点滅する「同時点滅の回路」を表します。
つまり、換気扇の白線と黒線は、問題図にある白線と負荷に接続するための赤線に接続されているものとして考えなければいけません。
- イ:不適切です。
- ロ:不適切です。
- ハ:不適切です。
- ニ:適切です。
よって、ニが正解です。
問24
問題
解答:ハ
単相3線式は白線を接地線として黒線と赤線の電位差で電圧が生じています。
- 黒線と白線(大地間):100V
- 赤線と白線(大地間):100V
- 黒線と赤線:200V
単相3線式での電圧は、上記のとおりです。
よって、ハが正解です。
問25
問題
解答:イ
クランプ形漏れ電流計を用いて単相3線式の漏れ電流を測定する際には、中性線含めてすべての電線をクランプの中に入れて測定する必要があります。
よって、イが正解です。
問26
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
⇒接地抵抗計には、ディジタル形と指針形(アナログ形)があります。 - ロ:不適切です。
⇒直流電圧は誤差が生じるため、交流電圧を採用しています。 - ハ:適切です。
⇒測定前に電池容量が十分であることを確認する必要があります。 - ニ:適切です。
⇒地電圧が許容値以下であることを確認してから測定します。
よって、ロが正解です。
問27
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒電動機の回転速度は、回転計を使用します。検相器は三相回路のR相・S相・T相の相順が適切に接続されているかを調べるものです。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問28
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒電気工作物は一般用電気工作物・事業用電気工作物・自家用電気工作物の3つに分かれているところは適切です。しかし、これらは「電気事業法」によって定められています。
よって、ニが正解です。
問29
問題
解答:ロ
- イ:電圧200で使用する電力量計を取り外す作業は軽微な作業なので電気工事士以外でも従事できます。
- ロ:両方ともに電気工事士でなければ従事できません。
- ハ:地中電線用の管を設置するのは軽微な作業なので電気工事士以外でも作業に従事できます。
- ニ:両方の作業共に軽微な作業なので電気工事士以外でも従事できます。
よって、ロが正解です。
問30
問題
解答:ハ
- 漏電遮断器は、定格電圧100V以上300V以下、定格電流100A以下のものが特定電気用品の適用を受けます。
- 換気扇は特定電気用品以外の適用を受けます。
- 絶縁ビニルシースケーブルは、定格電圧100V以上600V以下、公称断面積22m㎡以下、線心7本以下のものが特定電気用品の適用を受けます。
- 合成樹脂可とう電線管は、特定電気用品以外の適用を受けます。
問題の中にある中で特定電気用品の適用をうけるのは「AとC」です。
よって、ハが正解です。
問題2:配線問題
問31.ロ | 問32.ハ | 問33.イ | 問34.イ | 問35.ハ |
問36.ニ | 問37.ニ | 問38.ハ | 問39.ニ | 問40.ロ |
問41.ハ | 問42.ロ | 問43.イ | 問44.ハ | 問45.ロ |
問46.ロ | 問47.ニ | 問48.ロ | 問49.ニ | 問50.イ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ロ
1が示す屋外灯の種類は「水銀灯」です。
表記に「H」と記載されているため、確認しておきましょう。
よって、ロが正解です。
問32
問題
解答:ハ
ルームエアコンの屋内ユニットには「I」(indoor)、屋外ユニットには「O」(Outdoor)の文字を表記します。
よって、ハが正解です。
問33
問題
解答:イ
電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。
3で示す回路は、単相3線式100/200V回路なので、使用電圧は300V以下かつ対地電圧も150V以下です。
よって、イが正解です。
問34
問題
解答:イ
問35
問題
解答:ハ
5が示す図記号は「電力量計」です。
その名の通り「電力量を測定するため」に設置します。
よって、ハが正解です。
問36
問題
解答:ニ
6が示す部分は、使用電圧が300V以下なので「D種接地工事」です。
- D種接地工事:使用電圧が300V以下
⇒100[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下 - C種接地工事:使用電圧が300Vを超える低圧
⇒10[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下
問題図面では、動作時間0.1秒以内の漏電遮断器が施設されているため、接地抵抗値としては500Ω以下が適正値となります。
よって、ニが正解です。
問37
問題
解答:ニ
7が示す図記号は「過負荷保護機能付漏電遮断器」です。
よって、ニが正解です。
問38
問題
解答:ハ
8が示す図記号は「リモコンセレクタスイッチ」です。
よって、ハが正解です。
問39
問題
解答:ニ
9が示す図記号は「天井面用抜け止め形コンセント」です。
よって、ニが正解です。
問40
問題
解答:ロ.HIVE
10が示す耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管の傍記表示は「HIVE」です。
- イ:FEP
⇒波付硬質合成樹脂管 - ロ:HIVE
⇒耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管 - ハ:VE
⇒硬質塩化ビニル電線管 - ニ:CD
⇒合成樹脂可とう電線管
よって、ロが正解です。
問41
問題
解答:ハ.引留がいし
引込用ビニル絶縁電線(DV線)を引き留める際には「引留がいし」を使用します。
- イ:低圧ノップがいし
⇒不適切です。がいし引き工事にて使用します。 - ロ:チューブサポート
⇒不適切です。ネオン工事でネオン管を支持するために使用します。 - ハ:引留がいし
⇒適切です。DV線を引き留めて支持するために使用します。 - ニ:玉がいし
⇒不適切です。電柱の支線の途中に取り付けて、断線した架空電線が支線に触れても感電しないようにします。
よって、ハが正解です。
問42
問題
解答:ロ
12が示す図記号は「電流計付開閉器」です。
- イ:電磁開閉器
⇒不適切です。電動機の運転制御などに使用される開閉器です。 - ロ:電流計付箱開閉器
⇒適切です。電動機の手元開閉器などの機器として活躍します。 - ハ:タイムスイッチ
⇒不適切です。設定した時間に電気機器を動作させるために使用します。 - ニ:カバー付きナイフスイッチ
⇒不適切です。レバー操作で回路を開閉します。
よって、ロが正解です。
問43
問題
解答:イ
問44
問題
解答:ハ
- イ:電工ナイフ
⇒適切です。電線の被覆を剥く際に使用します。 - ロ:接地棒
⇒適切です。接地工事を施す際にハンマーで打ち込んで使用します。 - ハ:リーマ
⇒不適切です。金属管などの内側の面取りを行う際に使用します。 - ニ:圧着端子
⇒適切です。電線の末端に取り付けて接地端子と接続します。
よって、ハが正解です。
問45
問題
解答:ロ
問46
問題
解答:ロ
問47
問題
解答:ニ
17が示す図記号は「20A125V接地極付接地端子付コンセント」です。
- イ:15A125V接地極付接地端子付コンセント
- ロ:20A125V接地極付コンセント
- ハ:20A250V接地極付コンセント
- ニ:20A125V接地極付接地端子付コンセント
よって、ニが正解です。
問48
問題
解答:ロ
18が示す図記号は「ライティングダクト」です。
ハの「1種金属製線ぴ」と間違えやすいので注意しましょう。
よって、ロが正解です。
問49
問題
解答:ニ
- イ:自動点滅器
⇒屋側の白熱灯の点滅に使用されています。 - ロ:リモコントランス
⇒電灯分電盤内にて使用されています。 - ハ:3路スイッチ
⇒事務所内にて使用されています。 - ニ:2極スイッチ
⇒使用されていません。
よって、ニが正解です。
問50
問題
解答:イ
イの「抜け止め形コンセント」のみがカウンタの天井面にて使用されています。
よって、イが正解です。
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