平成27年度第二種電気工事士下期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成27年度第二種電気工事士筆記試験 下期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.ニ | 問2.ロ | 問3.イ | 問4.ハ | 問5.ロ |
問6.ニ | 問7.ハ | 問8.ロ | 問9.ニ | 問10.ロ |
問11.ハ | 問12.ロ | 問13.ハ | 問14.ニ | 問15.イ |
問16.イ | 問17.ニ | 問18.ニ | 問19.ハ | 問20.ニ |
問21.ハ | 問22.ロ | 問23.イ | 問24.イ | 問25.ハ |
問26.ハ | 問27.ロ | 問28.ニ | 問29.ニ | 問30.イ |
参照:電気技術者試験センター
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問1
問題
解答:ニ
回路において、端子aのすぐ左側にある抵抗に電流は流れません。
また、スイッチSを閉じたとき、真ん中にある50Ωにも抵抗は流れないため、a-b間の電圧は、50Ω2つの直列回路を分圧した値となります。
50Ωと50Ωの分圧なのでVab(V)は、
Vab=60(V)
よって、ニが正解です。
問2
問題
解答:ロ
交流回路において、リアクタンスをXLとするとき、回路の電流I(A)は、
I=V/XL
このとき、XL=2πfLなので、電流I(A)は周波数に反比例していることが分かります。
つまり、60Hzのときの電流I(A)は50Hzのときの電流と比較して5/6倍となります。
I=6×5/6
=5(A)
よって、ロが正解です。
問3
問題
解答:イ
導線の電気抵抗R(Ω)は次の式で求められます。
R=ρL/A ⇒①
また、断面積A(m㎡)は次の式で求められます。
A=π(D×10-³)²/4 ⇒②
②の式を①の式に代入し、式変形すると次の式になります。
R=4ρL/πD² ×106
よって、イが正解です。
問4
問題
解答:ハ
水の温度を20K(ケルビン)=20℃上昇させます。
比熱とは1kgの水を1K上昇するのに必要な熱量のことを言います。また、電力量1kW・hの熱量は3,600kJです。
このとき、60kgの水を20K上昇させるために必要な電力量(KW・h)は
W=4.2×60×20/3,600
=1.4(kW・h)
よって、ハが正解です。
問5
問題
解答:ロ
Y回路において線電流=相電流、線間電圧=√3×相電圧の関係があります。
このとき、回路に流れる電流I(A)は、
I=200/√3×10
=20/√3
≒11.6(A)
よって、ロが正解です。
問6
問題
解答:ニ
a-b間、a’-b’間に流れる電流は10A+10A=20Aです。また、b-c間、b’-c’間に流れる電流は10Aです。b-b’間に流れる電流は10Aです。
この問題において負荷の電圧99Vは電圧降下の影響を受けたあとのものなので、a-a’間の電圧は、負荷の電圧に電圧降下を加えたものとなります。
電圧降下v(V)は、
v=2×0.1×10+2×0.1×20
=2+4
=6(V)
a-a’間の電圧V(V)は、
V=99+6
=105(V)
よって、ニが正解です。
問7
問題
解答:ハ
問題において負荷が平衡しているため、中性線には電流が流れません。
このときの電力損失P(W)は、次のとおりです。
P=2I²r
=2×20²×0.1
=80(W)
よって、ハが正解です。
問8
問題
解答:ロ
直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の周囲温度30℃以下における許容電流は35Aです。このとき、電線5本を金属管に収めた場合の電流減少係数は0.56なので、許容電流I(A)は、
I=0.56×35
=19.6
≒19(A)
よって、ロが正解です。
問9
問題
解答:ニ
分岐点から8mを超えて過電流遮断器を施設する場合、分岐回路の電線の許容電流は、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上でなければいけません。
このとき、a-b間の電線の許容電流Iw(A)は、
Iw≧0.55I
≧0.55×60
≧33(A)
よって、ニが正解です。
問10
問題
解答:ロ
配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の関係は次のとおりです。
- イ:不適切です。
⇒15Aのコンセントは接続できません。 - ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒2.0mmの電線は接続できません。 - ニ:不適切です。
⇒30Aのコンセントは接続できません。
よって、ロが正解です。
問11
問題
解答:ハ
配線用遮断器において、定格電流を超える過電流が流れた時には定格電流の何倍流れているかが重要です。
この問題の場合25/20=1.25倍の過電流がながれていることが分かります。
定格電流が50A以下の配線用遮断器に定格電流の1.25倍の過電流が流れた場合には60分以内に自動動作しなければいけません。
よって、ハが正解です。
問12
問題
解答:ロ
ノックアウトパンチャは、金属製のボックスなどに穴を開ける際に使用します。
よって、ロが正解です。
問13
問題
解答:ハ
三相かご形誘導電気の回転速度をNsは、周波数をf、極数をpとすると次の式で求められます。
Ns=120f/p
=120×60/4
=1,800【min-¹】
よって、ハが正解です。
問14
問題
解答:ニ
- イ:不適切です。
⇒蛍光灯は安定器があるため、白熱電灯より力率は悪いのが特徴です。 - ロ:不適切です。
⇒白熱電灯に雑音は生じませんが、蛍光灯は雑音が生じます。 - ハ:不適切です。
⇒蛍光灯の寿命は白熱電灯の約6倍あります。 - ニ:適切です。
⇒蛍光灯の発光効率は白熱電灯の約5倍あります。
よって、ニが正解です。
問15
問題
解答:イ
- イ:電気トースター
⇒負荷が抵抗分だけなので力率が100%と最も高くなります。 - ロ:電気洗濯機
⇒電動機を使用しているため、力率は100%より低くなります。 - ハ:電気冷蔵庫
⇒電動機を使用しているため、力率は100%より低くなります。 - ニ:電球形LEDランプ(制御装置内蔵形)
⇒LEDが安定して点灯するための制御装置があるため、力率は100%より低くなります。
よって、イが正解です。
問16
問題
解答:イ
画像が表す測定器は「接地抵抗計」です。
接地抵抗計は、接地抵抗を測定するために使用します。
よって、イが正解です。
問17
問題
解答:ニ
画像が表す工具は「張線器」です。
張線器は、架空線のたるみを調整するために使用します。
よって、ニが正解です。
問18
問題
解答:ニ
この問題では、電線にある英語から意味を読み解くと簡単に分かります。
問題にあるEMは「エコマテリアル」の略称です。
EEFは絶縁材料とシースがポリエチレン(E)であることを表し、形状が平形(F)であることを表示しています。
また、/Fは耐燃性であることを表す記号です。
この電線は、絶縁材料にポリエチレンを用いてシースに耐燃性ポリエチレンを用いた環境に優しい電線であることから「エコ電線」といった呼ばれ方をします。
まとめると、600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形が正解です。
よって、ニが正解です。
問19
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒絶縁テープを巻いた上に保護テープを巻く必要があります。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問20
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒合成樹脂可とう電線管(CD管)は木造建築物の床下や壁の内部、天井裏に配管できません。
よって、ニが正解です。
問21
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒石油を貯蔵するなど危険物の存在する場所では金属線ぴ工事は認められていません。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問22
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒水気の定格感度電流15mA、動作時間が0.1秒以下の漏電遮断器であってもD種接地工事を省略できません。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問23
問題
解答:イ
基本的にコードを使用し、造営材に接触して施設する配線工事は、安全度が劣るため、一般配線工事では認められていません。
ショウウインドーやショウケース内の配線では、やむを得ない場合もあり、乾燥した場所に施設し、内部を乾燥した状態で使用するものであれば、外部から見えやすい場所に限り、コードまたはキャブタイヤケーブルを造営材に接触して施設できます。
よって、イが正解です。
問24
問題
解答:イ
- 電圧計:負荷と並列に接続する
- 電流計:負荷と直列に接続する
- 電力計:電圧コイルは負荷と並列に電流コイルは負荷と直列に接続する
よって、イが正解です。
問25
問題
解答:ハ
接地抵抗計を用いて接地抵抗を測定する際には、被測定接地極Eを基準にして5~10mの間隔で補助接地極P(電圧用)を配置します。同じ方向に5~10m離して補助接地極C(電流用)を配置します。
よって、ハが正解です。
問26
問題
解答:ハ
回路計(テスタ)で電圧を測定する場合、測定するレンジより大きな電圧が加わると内部の抵抗が焼損したり指針が振り切れて故障する可能性があります。
故障させない様にするには想定される値より上のレンジを選定して測定しなければいけません。大⇒小といったようにレンジを切り替えて電圧を測定しましょう。
よって、ハが正解です。
問27
問題
解答:ロ
一般用電気工作物の竣工検査で行われる検査は、目視点検、導通試験、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定です。
絶縁耐力試験などは、高圧で受電している電気設備の竣工検査の際に実施されます。
よって、正しい組み合わせであるロが正解です。
問28
問題
解答:ニ
- イ:軽微な作業なので電気工事士以外でも従事可能です。
- ロ:軽微な作業なので電気工事士以外でも従事可能です。
- ハ:軽微な作業なので電気工事士以外でも従事可能です。
- ニ:軽微な作業以外に該当するため電気工事士が従事しなければいけません。
よって、ニが正解です。
問29
問題
解答:ニ
問題の中にある器具の中で特定電気用品に該当するのは、タンブラースイッチ、フロートスイッチ、タイムスイッチ、配線用遮断器、差込み接続器です。
それ以外のカバー付きナイフスイッチ、電磁開閉器、ライティングダクトは特定電気用品以外の適用を受けます。
よって、ニが正解です。
問30
問題
解答:イ
- イ:適切です。
⇒低圧以下で受電し、同一の構内で使用する者は一般用電気工作物の適用を受けます。 - ロ:不適切です。
⇒50kW未満の太陽電池発電設備が小出力設備に該当します。 - ハ:不適切です。
⇒高圧で受電するものは、自家用電気工作物の適用を受けます。 - ニ:不適切です。
⇒高圧で受電するものは、自家用電気工作物の適用を受けます。
よって、イが正解です。
問題2:配線問題
問31.ニ | 問32.ロ | 問33.ロ | 問34.ハ | 問35.ニ |
問36.ロ | 問37.ロ | 問38.ハ | 問39.イ | 問40.ニ |
問41.イ | 問42.ロ | 問43.ニ | 問44.ハ | 問45.ロ |
問46.イ | 問47.ハ | 問48.ニ | 問49.ハ | 問50.ロ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ニ
- イ:金属管工事
⇒不適切です。木造以外でのみ認められています。 - ロ:金属可とう電線管工事
⇒不適切です。木造以外でのみ認められています。 - ハ:金属線ぴ工事
⇒不適切です。木造以外でのみ認められています。 - ニ:600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形を使用したケーブル工事
⇒適切です。シースが金属製以外であれば認められています。
よって、ニが正解です。
問32
問題
解答:ロ
2が示す図記号は「壁付白熱電灯」です。
よって、ロが正解です。
問33
問題
解答:ロ
3が示す図記号は「接地極付接地端子付コンセント」です。
- イ:接地端子付コンセント
⇒不適切です。「ET」の表記があります。 - ロ:接地極付接地端子付コンセント
⇒適切です。「EET」の表記があります。 - ハ:接地極付コンセント
⇒不適切です。「E」の表記があります。 - ニ:漏電遮断器付コンセント
⇒不適切です。「EL」の表記があります。
よって、ロが正解です。
問34
問題
解答:ハ
4が示す図記号は「ライティングダクト」です。
よって、ハが正解です。
問35
問題
解答:ニ
小勢力回路の最大使用電圧は「60V」です。
暗記しておくと効率的に点数を稼げる問題なので確認しておきましょう。
よって、ニが正解です。
問36
問題
解答:ロ
6が示す図記号は「VVF用ジョイントボックス」です。
よって、ロが正解です。
問37
問題
解答:ロ
問38
問題
解答:ハ
8が示す図記号は「ワイドハンドル形点滅器」です。
よって、ハが正解です。
問39
問題
解答:イ
電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次のとおりです。
9の部分は、単相3線式100/200Vなので使用電圧300V以下、対地電圧150V以下であることが分かります。
よって、イが正解です。
問40
問題
解答:ニ
- D種接地工事:使用電圧が300V以下
⇒100[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下 - C種接地工事:使用電圧が300Vを超える低圧
⇒10[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下
10が示している部分は、使用電圧が300V以下なので「D種接地工事」です。
よって、ニが正解です。
問41
問題
解答:イ
11が示す図記号は「アウトレットボックス」です。
よって、イが正解です。
問42
問題
解答:ロ
12が示す図記号は「ダウンライト」です。
図記号に「DL」と表記があるので、確認しましょう。
よって、ロが正解です。
問43
問題
解答:ニ
13が示す図記号は「20A250V接地極付コンセント」です。
- イ:3極15A250V接地極付コンセント
- ロ:15A250V接地極付コンセント
- ハ:20A125V接地極付コンセント
- ニ:20A250V接地極付コンセント
よって、ニが正解です。
問44
問題
解答:ハ
14が示す図記号は「配線用遮断器」です。
ロとニは漏電遮断器なのでここで選択肢から外れます。
- イ:配線用遮断器(2極1素子)
- ロ:漏電遮断器(単相2線式、単相3線式両用)
- ハ:配線用遮断器(2極2素子)
- ニ:漏電遮断器(単相2線式)
問題の回路では200Vの分岐回路に使用するため、使用する配線用遮断器は「2極2素子」のものでなければいけません。
よって、「2P2E」(PはPole、EはElement)の配線用遮断器であるハが正解です。
問45
問題
解答:ロ
問46
問題
解答:イ
問47
問題
解答:ハ
問48
問題
解答:ニ
- イ:確認表示灯内蔵スイッチ
⇒1階と2階のトイレのスイッチ、1階の風呂のスイッチ - ロ:遅れスイッチ
⇒玄関のスイッチ - ハ:3路スイッチ
⇒階段のスイッチ - ニ:位置表示灯内蔵スイッチ
⇒どこにも使用されていない
よって、ニが正解です。
問49
問題
解答:ハ
- イ:ケーブルストリッパー
⇒適切です。ケーブルや電線の被覆を剥く際に使用します。 - ロ:電工ナイフ
⇒適切です。ケーブルや電線の被覆を剥く際に使用します。 - ハ:合成樹脂管用カッタ
⇒不適切です。硬質塩化ビニル電線管(合成樹脂管)は使用されていません。 - ニ:リングスリーブE形用圧着ペンチ
⇒適切です。E形リングスリーブの圧着接続の際に使用します。
よって、ハが正解です。
問50
問題
解答:ロ
- イ:ステップル(ステープル)
⇒適切です。造営材にケーブルを固定するために使用します。 - ロ:ねじなしカップリング
⇒不適切です。ねじなし電線管を使用しないため、使われていません。 - ハ:PF管用ボックスコネクタ
⇒適切です。合成樹脂可とう電線管をボックス接続する際に使用します。 - ニ:埋込形スイッチボックス
⇒適切です。木造住宅で埋込連用器具を取り付けるために使用します。
よって、ロが正解です。
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