平成26年度第二種電気工事士上期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成26年度第二種電気工事士筆記試験 上期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.ロ | 問2.ロ | 問3.ハ | 問4.イ | 問5.ハ |
問6.ロ | 問7.ハ | 問8.ロ | 問9.ロ | 問10.イ |
問11.イ | 問12.ハ | 問13.ニ | 問14.イ | 問15.ハ |
問16.ハ | 問17.ロ | 問18.イ | 問19.ロ | 問20.ニ |
問21.ニ | 問22.ニ | 問23.イ | 問24.ハ | 問25.イ |
問26.ニ | 問27.ロ | 問28.ニ | 問29.ニ | 問30.ハ |
参照:電気技術者試験センター
※「問○」のリンクをクリックすると問題の解説に移動します。
問1
問題
解答:ロ
正弦波交流電圧の最大値は実効値の√2倍です。
E=148/√2
≒105(V)
問2
問題
解答:ロ
並列回路下部左側の合成抵抗値は、2Ωが2つなので1Ωです。
また、並列回路下部右側の合成抵抗値は、
R=(3×6)/(3+6)
=18/9
=2(Ω)
このとき、並列回路下部は1Ωと2Ωの直列回路となるため、下部の合成抵抗値は3Ωです。
つまり、問題の回路において6Ωと3Ωになるため、回路の合成抵抗値は2Ωです
よって、ロが正解です。
問3
問題
解答:ハ
負荷の力率cosΘは、全体の電圧と抵抗分にかかる電圧を用いて次の式で求められます。
cosΘ=Vr/V
=90/102
≒0.88
=88%
よって、ハが正解です。
問4
問題
解答:イ
抵抗率をρ(Ω・m)、長さをL(m)、直径をD(mm)、断面積をA(m㎡)、抵抗をR(Ω)とすると、抵抗Rは次の式で求められます。
R=ρL/A (Ω) ⇒①
A=πD²/4 (m㎡) ⇒②
②を①に代入すると、
R=4ρL/πD² ×106
これをρ=に式変形したものが次のとおりです。
ρ=πD²R/4L×106
よって、イが正解です。
問5
問題
解答:ハ
回路のインピーダンスZ(Ω)は、
Z=√(6²+8²)
=√100
=10(Ω)
相電流I(A)は、
I=V/Z
=200/10
=20(A)
Δ回路における消費電力P(kW)は、
P=3I²R
=3×20²×6
=7,200(W)
=7.2(kW)
よって、ハが正解です。
問6
問題
解答:ロ
三相3線式における抵抗負荷の電圧降下v(V)は、
v=√3Ir
=√3×10×0.15
≒2.6(V)
よって、ロが正解です。
問7
問題
解答:ハ
断面積5.5m㎡の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の周囲温度30℃以下における許容電流は49Aです。このとき、電線3本を金属管に収めた場合の電流減少係数は0.7なので、電線1本あたりの許容電流は、
I=0.7×49
=34.3
≒34(A)
よって、ハが正解です。
問8
問題
解答:ロ
この問題では、電動機回路と電熱器回路の定格電流の合成抵抗値を求めます。
電動機回路の定格電流の合計値Im(A)は、
Im=20×3
=60(A)
電熱器回路の定格電流の合計値Ih(A)は、
Ih=15(A)
このとき、電動機の定格電流の合計値が50Aを超えているため、幹線の許容電流Iw(A)は、
Iw≧1.1Im+Ih
≧1.1×60+15
≧66+15
≧81(A)
よって、ロが正解です。
問9
問題
解答:ロ
分岐点から3mを超えて8m如何に過電流遮断器を施設する場合、分岐回路の電線の許容電流は、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の35%以上でなければいけません。
よって、a-b間の電線の許容電流Iw(A)は、
Iw≧0.35×60
≧21(A)
よって、ロが正解です。
問10
問題
解答:イ
電線の太さと配線用遮断器、コンセントの定格電流には次の関係があります。
よって、イが正解です。
問11
問題
解答:イ
- イ:不適切です。
⇒ネオン変圧器は、ネオン放電灯に用います。 - ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、イが正解です。
問12
問題
解答:ハ
金属管工事で絶縁ブッシングを用いる主な目的としては金属管の管端やねじなしボックスコネクタに取り付けて通線時などに絶縁電線の絶縁被覆を損傷させない様にするためです。
よって、ハが正解です。
問13
問題
解答:ニ
地中配線に使用できる電線はケーブル電線に限ります。
- イ:不適切です。
⇒ケーブル電線ではないため使用できません。 - ロ:不適切です。
⇒ケーブル電線ではないため使用できません。 - ハ:不適切です。
⇒ケーブル電線ではないため使用できません。 - ニ:適切です。
よって、ニが正解です。
問14
問題
解答:イ
金属管工事の切断及び曲げ作業を行う際は、金切りのこで金属管を切断して、やすりで仕上げます。ちなみに、金属管内側の面取りはリーマを用いて行います。
金属管の曲げ作業を行う際にはパイプベンダを用います。
よって、イが正解です。
問15
問題
解答:ハ
電気食器洗い機用のコンセントには、接地極付コンセントを使用することが望ましいとされています。また、接地極付コンセントには接地用端子を備えていると尚良しとされています。
つまり、接地極付接地端子付きコンセントを施設すれば、接地線もしくは接地極付差込器によって電気機器の接地を行えます。
よって、ハが正解です。
問16
問題
解答:ハ
画像の材料は「合成樹脂可とう電線管(PF管)用のカップリング」です。
目的としては、合成樹脂製可とう電線管相互を接続するために用います。
よって、ハが正解です。
問17
問題
解答:ロ
画像の工具は「クリックボール」です。
クリックボールは、リーマとあわせて金属管の内側の面取りを行ったり、羽根ぎりを取り付けて木材に穴を開けたりする際に使用します。
よって、ロが正解です。
問18
問題
解答:イ
画像の器具は「リモコンリレー」です。
リモコンリレーは、リモコンスイッチの操作によって電灯を点滅させます。リモコン配線のリレーとして用いられるのが主な使用用途です。
よって、イが正解です。
問19
問題
解答:ロ
電線の組み合わせとリングスリーブの圧着マークの関係については、次のとおりです。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒「○」ではなく「小」の圧着マークが適切です。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問20
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒水気のある場所では、漏電遮断器を設置しても接地工事を省略できません。
よって、ニが正解です。
問21
問題
解答:ニ
電線相互の接続する際の条件は次のとおりです。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒電線の電気抵抗を増加させてはいけません。
よって、ニが正解です。
問22
問題
解答:ニ
住宅の電圧は対地電圧150V以下が一般的ですが、定格消費電力が2kW以上の電気機械器具及びこれにのみ電気を供給する屋内配線を施設する場合は300V以下にできます。
施設方法に関しては、次のとおりです。
- 屋内は飲泉には。簡易接触防護措置を施すこと
- 電気機械器具には、簡易接触防護措置を施すこと
- 電気機械器具は、屋内配線と直接接続すること
- 専用の開閉器及び過電流遮断器を施設するkと
- 漏電遮断器を施設すること
よって、ニが正解です。
問23
問題
解答:イ
- イ:適切です。
⇒ライティングダクト工事は、使用電圧が300V以下で展開した場所及び点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所に施設できます。 - ロ:不適切です。
⇒金属ダクト工事は、点検できない隠ぺい場所や湿気の多い場所、水気のある場所には施設できません。 - ハ:不適切です。
⇒金属線ぴ工事は、点検できない隠ぺい場所や湿気の多い場所、水気のある場所には施設できません。 - ニ:不適切です。
⇒平形保護層工事は、点検できない隠ぺい場所や湿気の多い場所、水気のある場所には施設できません。
よって、イが正解です。
問24
問題
解答:ハ
- イ:不適切です。
⇒機器Aの内部で断線している場合、電圧計の測定値は0を示します。 - ロ:不適切です。
⇒a線が断線している場合、機器Aの両端に電圧は加わりません。 - ハ:適切です。
⇒中性線が断線すると機器AとBの直列回路となるため、機器Aの抵抗値がBよりも大きい場合は、両端の電圧が150Vを示すことがあります。 - ニ:不適切です。
⇒b線が断線している場合、機器Aの両端の電圧は100Vとなります。
よって、ハが正解です。
問25
問題
解答:イ
回路計(テスタ)で測定できるものは次のとおりです。
- 電圧(交流・直流)
- 抵抗
- 直流電流
よって、イが正解です。
問26
問題
解答:ニ
電圧と接地工事、絶縁抵抗値の関係については、次の表をご覧ください。
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:不適切です。
⇒接地抵抗値600Ωが適切ではありません。
よって、ニが正解です。
問27
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒絶縁抵抗計の出力電圧は、直流です。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問28
問題
解答:ニ
- イ:不適切です。
⇒電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする作業は軽微な作業に該当するため電気工事士でなくとも従事できます。 - ロ:不適切です。
⇒地中電線用の暗渠を設置する工事、600V以下で使用する電力量計を取り付ける工事は軽微な作業に該当するため電気工事士でなくとも従事できます。 - ハ:不適切です。
⇒電線を支持する柱を設置する工事は軽微な作業に該当するため、電気工事士でなくとも従事できません。 - ニ:適切です。
⇒両方の作業共に電気工事士でなければ従事できません。
よって、ニが正解です。
問29
問題
解答:ニ
- イ:適切です。
⇒特定電気用品に要求されています。 - ロ:適切です。
⇒特定電気用品に要求されています。 - ハ:適切です。
⇒特定電気用品に要求されています。 - ニ:不適切です。
⇒製造年月は特定電気用品に付すことを要求されていません。
よって、ニが正解です。
問30
問題
解答:ハ
直流電圧と交流電圧の電圧区分については、次のとおりです。
よって、ハが正解です。
問題2:配線問題
問31.ハ | 問32.ニ | 問33.ハ | 問34.ロ | 問35.ハ |
問36.イ | 問37.ロ | 問38.ニ | 問39.イ | 問40.イ |
問41.ロ | 問42.イ | 問43.ニ | 問44.イ | 問45.ロ |
問46.ニ | 問47.ロ | 問48.ニ | 問49.イ | 問50.ハ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ハ
1が示す図記号は「確認表示灯」です。
よって、ハが正解です。
問32
問題
解答:ニ
- D種接地工事:使用電圧が300V以下
⇒100[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下 - C種接地工事:使用電圧が300Vを超える低圧
⇒10[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下
2が示す部分の回路は、使用電圧が300V以下となるため「D種接地工事」が施されます。
よって、ニが正解です。
問33
問題
解答:ハ
問34
問題
解答:ロ
4が示す図記号は「ダウンライト(埋込器具)」です。
よって、ロが正解です。
問35
問題
解答:ハ
電気設備の技術基準の解釈第147条に定めるところにより、20A以下の配線用遮断器で保護される他の屋内電路に接続する長さ15m以下の電路から電気の供給を受ける場合は開閉器を省略できます。
よって、ハが正解です。
問36
問題
解答:イ
電路と電圧の関係については、次のとおりです。
6の部分では単相100/200Vの200V側の分岐回路となるため、対地電圧150V以下、使用電圧300V以下です。
よって、イが正解となります。
問37
問題
解答:ロ
7が示す部分は単相100/200V回路の200V分岐回路なので、使用する配線用遮断器は「2極2素子」(2P2E)のものでなければいけません。
よって、ロが正解です。
問38
問題
解答:ニ
8が示す図記号には「TS」の表記があるため、「タイムスイッチ」です。
よって、ニが正解です。
問39
問題
解答:イ
小勢力回路の電線(軟銅線)の太さは、ケーブルの場合を除いて「直径0.8mm」が最小と定められています。(電気設備の技術基準の解釈第181条)
また、小勢力回路の最大使用電圧は60Vとなっているので、セットで覚えておきましょう。
よって、イが正解です。
問40
問題
解答:イ
電気設備の記述基準の解釈第110条、第116条にて、低圧屋側電線路の工事として、認められているのは次のとおりです。
- 合成樹脂管工事
- がいし引き工事
- 金属管工事(木造以外)
- バスダクト工事(木造以外)
- ケーブル工事(シースが金属製の場合は木造以外)
今回の問題は木造住宅なので、イの金属管工事が不適切です。
よって、イが正解となります。
問41
問題
解答:ロ
- イ:リーマ
⇒不適切です。金属管の内面取りに使用します。 - ロ:木工用ドリル
⇒適切です。電動ドリルに取り付けて木材の穴を開けるために使用します。 - ハ:ホルソ
⇒不適切です。鋼板に穴を開けるために使用します。 - ニ:タップ
⇒不適切です。鋼板などにねじを切るために使用します。
よって、ロが正解です。
問42
問題
解答:イ
問43
問題
解答:ニ
問44
問題
解答:イ
14の部分では、VVFケーブルを使用した配線であることが分かります。
- イ:埋込形スイッチボックス(合成樹脂製)
⇒適切です。木造住宅で埋込連用器具を取り付けるために使用します。 - ロ:PF管用露出形スイッチボックス
⇒不適切です。合成樹脂製可とう電線管用のスイッチボックスです。 - ハ:ねじなし管用露出形スイッチボックス
⇒不適切です。金属管工事が行われないため、使用されません。 - ニ:コンクリートボックス
⇒不適切です。コンクリートに埋め込んで電線の接続場所に使用します。今回は使用されません。
よって、イが正解です。
問45
問題
解答:ロ
回路の負荷電流を計測するのは「クランプ形電流計」です。
- イ:回路計(テスタ)
⇒不適切です。回路の電圧や抵抗を測定する際に使用します。 - ロ:クランプ形電流計
⇒適切です。レンジを選択して測定したい電線を挟んで使用します。 - ハ:照度計
⇒不適切です。対象物の照度を測定するために使用します。 - ニ:絶縁抵抗計(メガー)
⇒不適切です。絶縁抵抗を測定するために使用します。単位が「MΩ」なのが特徴です。
よって、ロが正解です。
問46
問題
解答:ニ
注意1にて使用する電線はVVFケーブルと記載があります。
また、16が示す部分は3路スイッチに接続される配線であるため、3心のものが使用されます。
よって、ニが正解です。
問47
問題
解答:ロ
17が示す図記号は「天井付換気扇」です。
ニが「壁付換気扇」なので間違わない様に注意しましょう。
よって、ロが正解です。
問48
問題
解答:ニ
- イ:接地極付コンセント(1口)
⇒使用されていません。 - ロ:15A250V接地極付コンセント
⇒使用されていません。 - ハ:20A125Vコンセント(1口)
⇒使用されていません。 - ニ:15A125V接地極付接地端子付コンセント
⇒洗面所にて使用されています。
よって、ニが正解です。
問49
問題
解答:イ
- イ:確認表示灯内蔵スイッチ
⇒どこにも使用されていません。 - ロ:位置表示灯内蔵スイッチ
⇒便所の入口に使用されています。 - ハ:3路スイッチ
⇒洗面所ウのスイッチなどに使用されています。 - ニ:単極スイッチ
⇒居間を始めとした多くの場所に使用されています。
よって、イが正解です。
問50
問題
解答:ハ
ハはリングスリーブとP形スリーブ用の圧着工具ですが、E形リングスリーブと接続する際には柄が黄色の「リングスリーブE形用圧着ペンチ」を使用します。
柄が赤色の圧着ペンチは、P形スリーブや裸圧着端子と接続するため、間違わないように注意しましょう。
よって、ハが不適切です。
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