平成26年度第二種電気工事士下期筆記試験の解答と解説です。
問題を解いていない方は、「10年間の過去問題」の記事にて掲載していますので、問題を解いてから確認してください。
平成26年度第二種電気工事士筆記試験 下期 解答・解説
問題1:一般問題
問1.ニ | 問2.ハ | 問3.ニ | 問4.ハ | 問5.ニ |
問6.イ | 問7.ニ | 問8.ハ | 問9.ロ | 問10.イ |
問11.ロ | 問12.ニ | 問13.ロ | 問14.ハ | 問15.イ |
問16.ハ | 問17.イ | 問18.ニ | 問19.ロ | 問20.イ |
問21.イ | 問22.ハ | 問23.ロ | 問24.イ | 問25.ハ |
問26.ロ | 問27.ニ | 問28.ハ | 問29.ロ | 問30.ロ |
参照:電気技術者試験センター
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問1
問題
解答:ハ
1kwhあたりの発熱量は3,600kJに相当するため、発熱量Q(kJ)は、
Q=3,600Pt
=3,600×0.5×1.5
=2,700(kJ)
よって、ハが正解です。
問2
問題
解答:ハ
この問題では、問題図右側から合成抵抗値を求めていくのがポイントです。
まず、右側にある4Ωと4Ωの合成抵抗値は2Ωです。
合成抵抗値を求めると、2Ωと2Ωの直列回路になるため、更に合成抵抗値を求めると4Ωです。
今度は4Ωと4Ωの並列回路になるため、合成抵抗値は2Ωです。
最後に直列の関係にあたる2Ωとの合成抵抗値を求めると4Ωであることがわかります。
よって、ハが正解です。
問3
問題
解答:ニ
R=ρL/Aより、長さと断面積が最も近いものが抵抗値が1番近くなります。
A=πD²/4より、直径2.6mmの断面積は、
A=3.14×(2.6)²/4
≒5.3(m㎡)
これに近いものが抵抗値が近似するため、ニが正解です。
問4
問題
解答:ハ
問題における1相当たりの電圧V(V)は、
V=6×20
=120(V)
Y回路における線間電圧は、相電圧の√3倍となるため、
V=√3×120
≒208(V)
よって、ハが正解です。
問5
問題
解答:ニ
P=VIcosΘ(W)より、
I=2,000/200×0.8
=12.5(A)
よって、ニが正解です。
問6
問題
解答:イ
問題における回路では、負荷が平衡しているため、中性線に電流は流れません。
このときの電圧降下を表す式は、
v=rI(V)です。
電力損失は2I²rなので、間違わないように注意しましょう。
よって、イが正解です。
問7
問題
解答:ニ
三相3線式の回路の電力損失は1本あたりの電力損失を3倍にした値となります。
P=3×10²×(0.01×20)
=60(W)
よって、ニが正解です。
問8
問題
解答:ハ
中性線が断線したとき、回路に流れる電流I(A)は、
I=V/R
=200/(100+20)
=5/3(A)
このとき、a-b間の電圧Vab(V)は、
Vab=100×5/3
=500/3
=166.6666
≒167(V)
よって、ハが正解です。
問9
問題
解答:ロ
直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)の周囲温度30℃以下における許容電流は35Aです。このとき、電線4本を金属管に収めて施設した場合、電流減少係数は0.63であるため、電線1本あたりの許容電流は、
I=0.63×35
=22.05
≒22(A)
よって、ロが正解です。
問10
問題
解答:イ
配線用遮断器と電線の太さ、コンセントの定格電流の関係については、次のとおりです。
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒30Aの配線用遮断器に2.0mmの電線は使用できません。 - ハ:不適切です。
⇒20Aの配線用遮断器に30Aのコンセントは接続できません。 - ニ:不適切です。
⇒30Aの配線用遮断器に15Aのコンセントは接続できません。
よって、イが正解です。
問11
問題
解答:ロ
定格電流が30A以下の配線用遮断器は、定格電流の2倍の電流が流れた場合には、2分以内に動作しなければいけません。
よって、ロが正解です。
問12
問題
解答:ニ
電線の最高許容温度については、次のとおりです。
- イ:600V二種ビニル絶縁電線(HIV)
⇒75℃が最高許容温度です。 - ロ:600Vビニル絶縁電線(IV)
⇒60℃が最高許容温度です。 - ハ:600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)
⇒60℃が最高許容温度です。 - ニ:600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)
⇒90℃が最高許容温度です。
よって、ニが正解です。
問13
問題
解答:ロ
回転速度Nsは周波数をf、極数をpとすると次の式で求められます。
Ns=120f/p
=120×60/6
=1,200【min-¹】
よって、ロが正解です。
問14
問題
解答:ハ
コンクリート壁に金属管を取り付ける際には、まず振動ドリルでコンクリート壁にカールプラグを埋め込む穴を開けます。
次にカールプラグを穴に埋込、ドライバーで木ねじをカールプラグにねじ込んでサドルを固定します。
よって、ハが正解です。
問15
問題
解答:イ
霧の濃い場所やトンネル内部の照明では、発光効率が良く霧に対して透過性が良いナトリウムランプが使用されます。
よって、イが正解です。
問16
問題
解答:ハ
画像の表すものは「呼び線挿入器」です。通線器とも言います。
これは、電線管に電線を通線するのに用います。
よって、ハが正解です。
問17
問題
解答:イ
画像が示す材料は「サドル」です。
サドルはPF管が動かないように固定するために使用します。
よって、イが正解です。
問18
問題
解答:ニ
画像が表す器具は「リモコントランス」です。
リモコントランスは100Vを24Vに降圧してリモコン配線の操作用電源に使用します。
よって、ニが正解です。
問19
問題
解答:ロ
電線の接続とリングスリーブの圧着マークについては、次のとおりです。
- イ:不適切です。
⇒「○」ではなく「小」マークが適切です。 - ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒「中」ではなく「小」マークが適切です。 - ニ:不適切です。
⇒「中」ではなく「小」マークが適切です。
よって、ロが正解です。
問20
問題
解答:イ
- イ:不適切です。
⇒プロパンガスは可燃性ガスに該当し、低圧屋内配線は金属管工事又はケーブル工事でなければいけません。 - ロ:適切です。
⇒小麦粉をふるい分けする粉じんのある場所は可燃性粉じんの存在する場所に該当します。 - ハ:適切です。
⇒石油を貯蔵する場所は危険物の存在する場所に該当します。 - ニ:適切です。
⇒自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う場所は可燃性ガスの存在する場所に該当します。
よって、イが正解です。
問21
問題
解答:イ
- イ:不適切です。
⇒管相互及び管とボックスの接続で接着剤を使用しない場合は、菅の差込み深さを管の外径の1.2倍以上にしなければいけません。 - ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、イが正解です。
問22
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
- ロ:適切です。
- ハ:不適切です。
⇒低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、電線管にD種接地工事を施す必要があります。ただし、管の長さが4m以下の場合は省略できます。 - ニ:適切です。
よって、ハが正解です。
問23
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒雨線外における垂直配管の上部にはエントランスキャップを使用しなければいけません。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問24
問題
解答:イ
- イ:不適切です。
⇒低圧交流電路では、変圧器の低圧側の中性線または一つの端子にB種接地工事が施されているため、常に一相は充電されていない状態です。検電器にて停電の確認をする場合には必ず他の相についても確認する必要があります。 - ロ:適切です。
- ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、イが正解です。
問25
問題
解答:ハ
接地工事の種類と電圧、電線の太さの関係については次の通りです。
接地線(軟銅線)の太さは1.6mm以上、接地抵抗値は500Ω以下が適正値であるため、イとロとニは不適切であることがわかります。
よって、ハが正解です。
問26
問題
解答:ロ
三相交流の相順を確認する際には「検相器」を用います。
よって、ロが正解です。
問27
問題
解答:ニ
絶縁抵抗測定が困難な場合においては、使用電圧が加わった状態における漏えい電流が1mA以下であればよいと電技解釈第14条(低圧電路の絶縁性能)にて定められています。
問28
問題
解答:ハ
- イ:適切です。
⇒電気工事士は電気工事の作業に従事する際には電気工事士免状を携帯しなければいけません。 - ロ:適切です。
⇒電気工事士は電気工事の作業に電気用品安全法に定められた電気用品を使用する場合は、適正な表示が付されたものを使用しなければいけません。 - ハ:不適切です。
⇒電気工事士は免状の記載事項(免状の種類、免状の交付番号、氏名及び生年月日)に変更を生じた場合は、免状を交付した都道府県知事に書換えを申請しなければいけません。 - ニ:適切です。
⇒電気工事士は、電気工事士法で定められた電気工事の作業に従事する時は、電気設備に関する技術基準に定める省令に適合するように作業をしなければいけません。
よって、ハが正解です。
問29
問題
解答:ロ
- イ:適切です。
- ロ:不適切です。
⇒特定電気用品には丸形ではなくひし形の表示を付します。 - ハ:適切です。
- ニ:適切です。
よって、ロが正解です。
問30
問題
解答:ロ
- イ:出力50kW未満の太陽電池発電設備であるため、一般用電気工作物の適用を受けます。
- ロ:出力10kW未満の内燃力発電設備であれば一般用電気工作物の適用を受けますが、出力15kWであるため適用を受けません。
- ハ:出力10kW未満の燃料電池発電設備であるため、一般用電気工作物の適用を受けます。
- ニ:出力50kW未満の太陽電池発電設備、出力20kW未満の風力発電設備であるため、一般用電気工作物の適用を受けます。
よって、ロが正解です。
問題2:配線問題
問31.ハ | 問32.イ | 問33.イ | 問34.ロ | 問35.ニ |
問36.ロ | 問37.ロ | 問38.イ | 問39.ニ | 問40.ロ |
問41.ニ | 問42.イ | 問43.ハ | 問44.ニ | 問45.ニ |
問46.ロ | 問47.イ | 問48.ロ | 問49.ハ | 問50.ハ |
参照:電気技術者試験センター
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問題図面
問31
問題
解答:ハ
地中電線路を直接埋設式によって施設する場合、車両その他の重量物の圧力を受ける恐れがない場所においては0.6m以上、受ける恐れがある場所においては1.2m以上の埋設深さにしなければいけません。(電気設備の技術基準の解釈第120条)
よって、ハが正解です。
問32
問題
解答:イ
2が示す図記号は、「リモコンセレクタスイッチ」です。
よって、イが正解です。
問33
問題
解答:イ
3が示す図記号は「天井直付シーリング」です。
よって、イが正解です。
問34
問題
解答:ロ
4が示す図記号は「床面に取り付けるコンセント」です。
よって、ロが正解です。
問35
問題
解答:ニ
5が示す図記号は「開閉器」です。
ここでは、制御配線の役割を担っているので「電磁開閉器」でなければいけません。
よって、ニが正解です。
問36
問題
解答:ロ
6の分岐回路に接続されているコンセントの定格電流は15Aです。
「定格電流15Aのコンセントが接続されている分岐回路を保護する過電流遮断器は、定格電流が15A以下の過電流遮断器(ヒューズ又は配線用遮断器)及び定格電流が15Aを超え20A以下の配線用遮断器でなければならない」
上記のように定められているため、配線用遮断器の定格電流の最大は「20A」となります。よって、「ロ」が正解です。
問37
問題
解答:ロ
- D種接地工事:使用電圧が300V以下
⇒100[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下 - C種接地工事:使用電圧が300Vを超える低圧
⇒10[Ω]以下 ※地絡を生じた際に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置と施設した場合は500[Ω]以下
7が示す部分では、使用電圧が300V以下の配線工事となるため、接地抵抗値としては100Ω以下が適切となります。
よって、ロが正解です。
問38
問題
解答:イ
問39
問題
解答:ニ
9が示す図記号は「圧力スイッチ」です。
ボタンの傍記表示に「P」が記載されています。
- イ:フロートスイッチ
⇒傍記に「F」が記載されています。 - ロ:電磁開閉器用押しボタン
⇒傍記に「B」が記載されています。 - ハ:フロートレススイッチ電極
⇒傍記に「LF」が記載されています。 - ニ:圧力スイッチ
⇒傍記に「P」が記載されています。
よって、ニが正解です。
問40
問題
解答:ロ
電路の電圧と絶縁抵抗値の関係については、次の通りです。
10が示す部分は三相3線式200V回路なので対地電圧は200V以上となります。
よって、ロが正解です。
問41
問題
解答:ニ
11の電線は、注意1の項目より600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルでなければいけません。
また、20A250V接地極付コンセントに接続するため、接地線である緑色の電線が使用されている必要があります。
よって、ニの緑色の電線を含めた3心ケーブルが正解です。
問42
問題
解答:イ
- 回路計(テスタ)
⇒回路の電圧や抵抗を測定する - クランプ形電流計
⇒電線に挟んで回路の電流を測定する - 接地抵抗計(アーステスタ)
⇒C種やD種を始めとした接地抵抗値を測定する - 絶縁抵抗計(メガー)
⇒回路の絶縁抵抗値を測定する - 検電器
⇒回路の充電の有無、極性を確認する
12が示す部分の電圧と極性を確認するのが問われているため、「回路計」と「検電器」の組み合わせが適切です。
よって、イが正解となります。
問43
問題
解答:ハ
- イ:絶縁被覆付圧着端子・スリーブ用圧着ペンチ
⇒不適切です。 - ロ:リングスリーブE形用圧着ペンチ
⇒不適切です。柄が黄色なのが特徴です。 - ハ:P形スリーブ・裸圧着端子用圧着ペンチ
⇒適切です。柄が赤色なのが特徴です。 - ニ:手動油圧式圧着ペンチ
⇒不適切です。太い電線や圧着端子を取り付けるために使用します。
よって、ハが正解です。
問44
問題
解答:ニ
問45
問題
解答:ニ
15が示す部分では「E25」と記載されているため、ねじなし電線管を用いた工事であることが分かります。
- イ:クリックボール&リーマ
⇒適切です。穴あけや面取りをする際に使用します。 - ロ:パイプベンダ
⇒適切です。金属管の曲げ作業を行う際に使用します。 - ハ:金切りのこ
⇒適切です。電線管を切断する際に使用します。 - ニ:リード式ねじ切り器&ダイス
⇒不適切です。金属管のねじ切り作業で使用します。
よって、ニが正解です。
問46
問題
解答:ロ
問47
問題
解答:イ
17が示す図記号は「確認表示灯付押しボタンスイッチ」です。
- イ:確認表示灯付押しボタンスイッチ
- ロ:フロートレススイッチ電極
- ハ:フロートスイッチ
- ニ:押しボタンスイッチ
よって、イが正解です。
問48
問題
解答:ロ
波付硬質合成樹脂管(FEP)はその名の通り、非常に硬いことが特徴です。そのため、ロの「金切りのこ」を使用して切断します。
問49
問題
解答:ハ
- イ:プルボックス
⇒ポンプ室、受水槽室で使用されています。 - ロ:ねじなし電線管用露出形スイッチボックス
⇒ポンプ室、受水槽室の3路・4路スイッチにて使用されています。 - ハ:15A125V防雨形コンセント
⇒どこにも使用されていません。 - ニ:20A250V接地極付コンセント
⇒集会室にて使用されています。
よって、ハが正解です。
問50
問題
解答:ハ
- イ:タイムスイッチ
⇒分電盤L-1、制御盤P-2にて使用されています。 - ロ:漏電遮断器
⇒制御盤P-1、P-2にて使用されています。 - ハ:壁付用換気扇
⇒どこにも使用されていません。 - ニ:電磁開閉器
⇒制御盤P-1、P-2にて使用されています。
よって、ハが正解です。
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