「エネルギー管理士試験」は、通称、エネ管と呼ばれる試験です。
- 電気分野
- 熱分野
エネ管には、この2種類の分野があります。
このサイトでは、電気分野の方を中心に解説していきます。
といっても、基本的な詳細はどちらも同じです。
試験の概要や難易度については、この記事から確認してください。
とりあえず、合格率からお話ししておきます。
- 電気分野:約23%
- 熱分野:約31%
ざっくりとこんな感じです。
電験三種よりも合格率が高いのが意外なところですね。
補足しておくと、エネ管は「一発合格」も十分に狙えます。
まずは、試験の情報を集めて効率的に対策を進めていきましょう。
エネルギー管理士試験に合格すると?
エネ管に合格し、実務経験を1年間積むことで「エネルギー管理者」として従事することができます。
エネルギー管理者の仕事は法律によって定められています。
エネルギー管理者は、エネルギーの使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行います。
参照:省エネ法第11条
上記のとおりです。
難しいので、簡単にまとめると「エネルギーを消費する設備の維持と管理ができる」といったことになります。
日本はエネルギー資源が乏しい国です。
そのため、省エネルギー施策を推進しています。
エネルギー管理士は「これからの電気とエネルギー時代を生き抜くための資格」とも言えますね。
エネルギー管理士の試験日と概要について
エネルギー管理士試験の詳細については、「一般財団法人 省エネルギーセンター」が更新しています。
申込みをネットで行う方は公式ページから行いましょう。
申込み方法については、こちらの記事を参考にしてください。
▷▷関連:エネルギー管理士 申込み方法
ここからは、エネ管の概要について紹介します。
- 試験の日程
- 試験の申込み費用
- 試験の内容
- 試験の準備物
- 試験についてのQ&A
上記の5項目を紹介していきます。
どれも重要な内容なので、確実にチェックしてくださいね。
※試験会場はこちらの記事で確認してください。
エネルギー管理士の試験日
エネルギー管理士試験は毎年、「8月」に実施されます。
- 総合管理及び法律
- 電気の基礎
- 電気設備及び機器
- 電力応用
この4課目で各60%以上の正答すると合格になります。
【2020年度】エネルギー管理士 試験日
2020年度エネルギー管理士の試験日は次のとおりです。
公式サイト | 省エネルギーセンター |
---|---|
受付案内 申込書配布期間 |
5月上旬から |
申込み期間 | 5月上旬~7月上旬 |
エネ管 実施日 |
8月30日(日) |
申込み方法 | インターネット申込みor郵便申込み |
エネルギー管理士 申込み費用
受験の申込み費用については次のとおりです。
郵便 申し込み |
受験案内に挟まれている申込書に必要事項を記載し、郵便局にて受験料を支払って申し込む方法 |
---|---|
受験費用 | 17,000円(税別)+手数料 |
支払い方法 | ・郵便局にて払込み。 ※振込み手数料が別途必要。 |
ネット 申し込み |
省エネルギーセンターの公式サイトから申し込み手順に従い必要事項を記載して申し込む方法。受験費用は後払い |
受験費用 | 17,000円(税別) |
支払い方法 | 【1】銀行振込み決済
【2】クレジットカード決済(一括払いのみ) 【3】コンビニ決済 【4】Pay-easy(ペイジー)決済 |
エネルギー管理士 試験内容
エネルギー管理士試験は、4課目の試験です。
技能試験などはなく、筆記のみの試験になります。
- エネルギーの総合管理及び法規
- 電気の基礎 or 熱と流体の流れの基礎
- 電気設備及び機器 or 熱利用設備及びその管理
- 電力応用 or 燃料と燃焼
この4課目で各60%以上正答する必要があります。
エネルギー管理士 試験時間【電気分野】
課目 | 試験時間 |
---|---|
エネルギー総合管理 および法規 |
9:00~10:20(80分) |
電気設備 および機器 |
10:50~12:40(110分) |
電力応用 | 14:00~15:50(110分) |
電気の基礎 | 16:20~17:40(80分) |
エネルギー管理士の試験時間【熱分野】
課目 | 試験時間 |
---|---|
エネルギー総合管理 および法規 |
9:00~10:20(80分) |
熱と流体の 流れの基礎 |
10:50~12:40(110分) |
熱利用設備 およびその管理 |
14:00~15:50(110分) |
燃料と燃焼 | 16:20~17:40(80分) |
エネルギー管理士試験の出題形式
出題形式 | 穴埋め選択問題(マークシート方式) |
---|---|
出題数 | 各課目4項目出題 |
合格基準 | 各課目60%以上正解 |
出題範囲 | 試験の出題範囲参照。 |
合格点は60点ではなく60%です。課目によっては合計で150点や200点あったりするので、ひたすらに分かる問題を解き進めることが大切です。
エネルギー管理士試験に必要な準備物
エネルギー管理士では、「受験票」と「電卓」が必須です。
絶対に忘れないようにしましょう。
- 受験票【顔写真付き】
- HBの鉛筆 or シャーペン
- 鉛筆削り or シャーペンの芯
- 消しゴム
- 透明・半透明の30cm以下の定規
- 腕時計【電卓・通信・アラーム機能は×】
- 眼鏡 or ルーペ【必要な人のみ】
※1 試験で使用できる電卓は関数機能のないものに限られています。
エネ管に使用できる電卓の例
注意: √ 機能は必須です。
エネ管に使用できない電卓の例
このような関数電卓は使用できません。
エネルギー管理士試験についてのQ&A
よくあるエネルギー管理士試験についての質問をまとめました。
日頃、疑問に感じていることはこちらから解決してください。
Q1.受験するのに必要な受験資格は?
必要な受験資格
⇒ありません。
特別な条件
⇒ありません。
結論
⇒誰でも受験が可能です。
Q2.熱分野と電気分野どちらを受験すれば良い?
得意な方を受験しましょう。
管理人は電気分野を取得しました。
Q3.試験の合格発表日はいつ?
9月の中旬頃に発表されます。
公式サイトにて確認出来ます。
▷▷関連:エネルギー管理士 合格発表日
Q4.合格するためにどのくらい勉強時間が必要?
電験三種を取得しているのであればそこまで時間はかかりません。目安としては、400~500時間ぐらいかと思います。
Q5.独学で合格は可能ですか?
結論から述べると可能です。
むしろ、独学者の方が多いように思えます。
Q6.参考書や問題集はどれが良いの?
オーム社が出版している「エネルギー管理士 徹底研究」がかなりおすすめです。
▷▷関連:おすすめの参考書と問題集
▷▷関連:過去10年間の問題と解答
Q7.実務経験は何年必要?
取得後、1年間の実務経験が必要です。
Q8.受験票に写真を貼り忘れたけど大丈夫?
大丈夫です。試験会場にて写真を紛失した方用の窓口があるのでそこで撮影してください。
エネルギー管理士の難易度と合格率について
冒頭では、試験の合格率についてお話ししました。
内容としては、電験三種よりも深い内容が出題されます。
しかし、合格率としては約23%と高いです。
つまり、エネルギー管理士試験は「点数を稼ぎやすい試験」であることがわかります。
実際の問題例を見ていただければわかりますが、「あれ?これ解けるんじゃない?」って問題が意外と多く見つかるはずです。
ここからは、エネ管の合格率と難易度について見ていきましょう。
エネルギー管理士 各課目の出題範囲
エネルギー管理士の出題範囲は次のとおりです。
エネルギー管理士 電気分野の出題範囲
補足すると、法規以外の3課目は「計算問題」が多いです。
また、電験三種と酷似している問題も非常に多いため、過去問対策がものすごく有効です。(経験談)
法規に関しては電験三種と全くの別物です。
0からではないですが、新しく覚えることは他の課目よりも多いです。
エネルギー管理士 熱分野の出題範囲
熱分野は計算4割、語句問題6割の印象です。
全体的に雰囲気が似た問題が多いので1問ずつ解ける問題を増やしていきましょう。
エネルギー管理士 電気分野の難易度
電気分野の過去問から難易度を見ていきましょう。
エネルギー総合管理および法規
この課目のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 基礎的な問題が多い
- 全分野からバランス良く出題
- 計算5割・語句5割
こんな感じです。
電気の基礎問題も出題されるので比較的点数は稼ぎやすいと思います。
▷▷関連:エネルギーの総合管理 勉強法
電気の基礎
この課目のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 電験三種の理論とほぼ同じ
- ほとんどが基礎問題
- 計算8割・語句2割
こんな感じです。
電験三種と同様に、すべての基礎となる課目なので、勉強はこの課目から始めると進めやすいかなと思います。
▷▷関連:電気の基礎 勉強法
電気設備及び機器
この課目のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 電力の送配電と類似した問題
- 機械の電気機器と類似した問題
- 計算7割・語句3割
こんな感じです。
電験三種の電力と類似した問題が非常に多いので、新しく覚える内容はそこまで多くないですね。
▷▷関連:電気設備及び機器 勉強法
電力応用
この課目のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 電気分野で1番の難易度
- 微分・積分の登場
- 選択問題が存在する
- 計算8割・語句2割
こんな感じです。
電験三種の機械と類似している問題があり、毎年の難易度の差が大きいです。
微分・積分が苦手な人は、基礎だけでも身につけておきましょう。
▷▷関連:電力応用 勉強法
エネルギー管理士 熱分野の難易度
熱分野の過去問題から難易度を見ていきましょう。
熱と流体の流れの基礎
- 語句7割・計算問題3割
- 熱分野の基礎的問題が多く出題される
燃料と燃焼
- 語句4割・計算問題6割
- 火力発電に応用できる内容が多く出題される
熱利用設備及びその管理
- 語句8割・計算問題2割
- 熱分野の中で1番出題範囲が広い
エネルギー管理士 過去10年間の合格率
次に、エネ管の難易度を合格率から見ていきましょう。
※公式サイトの情報が平成25年度を最後に非公式になっています。そのため、25年度以降の内容は集めた情報を元にグラフを作成しています。
グラフから読み取れるポイントをまとめます。
- 全体
⇒受験者数が増加している - 電気分野
⇒合格率約23% - 熱分野
⇒合格率約31%
上記のとおりです。
電験三種と比べて、エネ管は「合格率の高い資格」であることが分かります。
試験の内容自体も激ムズではないので、電験三種を取得した後に電気分野の取得をしておくのが1番のオススメです。
5.さいごに
- エネ管の試験日
⇒8月30日(日) - エネ管の準備物
⇒受験票と電卓は必須 - エネ管の合格率
電気分野:約23%
熱分野:約31%
今回、エネルギー管理士の難易度と合格率についてお話ししました。
毎年、合格率が〇%などと言っていますが結局のところ、勉強に対するやる気次第で合格できるかどうかは決まります。
過去問と似たような問題が出るため、何をしたら良いかわからない時は、過去問だけでも解くようにしましょう。