電気主任技術者の仕事に限らず仕事に就くうえで欠かせない情報が「年収」です。
- 資格取得
- 就職
- 転職
年収は、これら3つの最終地点に位置しますよね。
仕事に就くなら、給料良し・休み良しの仕事を選びたいと思います。
「年収が良くて休日も多く安定した仕事」
もしかしたら、電気主任技術者にこういったイメージを持っているかもしれません。
悲報ですが、答えは「No」です。
結論からお話しすると、電気主任技術者の年収は350万円~600万円が相場です。
残念ですが、電気主任技術者の給料が高いは幻想です。ただ、最終学歴が高卒でも年収600万円が視野に入るのは凄く良いですね。加えて、安定している業界でもあるので就職・転職する価値は十分にあります。
上記がこの記事の結論です。
補足しておくと、この年収は「実務経験を積んだ電気主任技術者」であれば、それなりに達成可能な難易度です。
この記事では、電気主任技術者として勤めてきた管理人が、仕事と年収に対する長所と短所を本音で語っていきます。
しばらくお付合いください。
電気主任技術者が明かす年収の真実
冒頭で、「給料高いは幻想です」と言いました。
ただ、重要なのが「平均的に見て低い」というわけではないです。
この平均は日本人の平均年収415万円と比較しています。
ちなみに今回は、次の2種類を独自に調査して、記事にまとめました。
- 年収100人調査
- 年代別 年収調査
サクッと見ていきましょう。
ちなみに、辞める前の管理人の年収は380万~450万円の間でしたね。
年収100人調査
電気主任技術者100人の年収を調査しました。
対象は、新社会人から60代超えまで、すべてを対象にしています。
年収【万円】 | 人数【人】 |
---|---|
300未満 | 8人 |
300~400 | 26人 |
400~500 | 27人 |
500~600 | 16人 |
600~700 | 12人 |
700~800 | 4人 |
800~900 | 2人 |
900~1,000 | 2人 |
1,000~ | 3人 |
▷平均年収のボリュームゾーン
- 400万円~500万円
- 300万円~400万円
- 500万円~600万円
このような結果になりました。
300万円から600万円の年収の人数が7割を占めているのが特徴です。
一般企業では、このぐらいの年収が相場です。
また、300万円~400万円と年収が少なめの方には共通することがあります。
- 新入社員
⇒社会人歴が浅い - 実務経験の不足
⇒5年間の実務経験が必要
こういった方は、年収が少なめです。
ただ、実務経験を満了した後は少しずつ年収が増加していくため、20代後半になる頃には日本人の平均年収は超えています。
また、年収600万以上の方にも共通することがあります。
- 役職に就いている
⇒係長・課長・部長など - 独立している
⇒電験二種&営業力が必須
こういった特徴がありましたね。
これは、実際に感じたことでもありますが「経験を積んで独立した人」か「経験を積んで出世した人」が年収を多めに貰っているといった印象です。
つまり、経験と知識をコツコツ積み重ねることが大切です。
職に就いて速攻で年収1,000万円とかにはならないの注意してください。
年代別 年収調査
先ほどの補足として年齢別にも年収を見てみましょう。
ご自身の年齢に近いものを探して年収を参考にしてみてください。
※ボーナスは夏・冬の合計で算出しています。
結果としては、このような感じです。
多くの企業では「年功序列制」により、経験を積んでいくと同時に年収も増加していく仕組みになっています。
こうしてみて分かる通り、電気主任技術者の年収は決して高いものではありません。しかし、平均的にも見て低いというわけでもないです。
それでも皆さんの周りで「電気主任技術者は思ったよりも良くないよ」と噂されるのかと言うと、それには電気主任技術者の抱える不満が関係しています。
【黒幕】電気主任技術者が仕事に抱える不満
「年収に対して電気主任技術者の責務が重すぎる」
これが電気主任技術者が抱えやすい不満です。
振り返りますが、電気主任技術者の仕事は電気設備の点検です。
もし、電気設備で何か事故が起きた場合、その責任は主任技術者になります。そのため、1つ1つの仕事に責任感を持って勤める必要があるわけです。
また、企業によっては次の仕事があります。
- 消防点検
- 設備の改修
- 電気設備周りの掃除
もはや、何でも屋さんみたいなことをし始めています。
加えて、お客さんによっては休日出勤や夜に点検をすることも時々あります。そういったことが積み重なって不満になっていくわけです。
「高圧という限りなく危険な設備の管理と仕事量、責任の重さを考えたらもう少し年収を上げるべきじゃないか?」
皆さんが耳にする不満はこういったところから来ています。
こういった企業は一部だけですが存在するのは事実です。もし、そういった会社に入社した場合は転職を視野に入れましょう。
電験三種の良さは「仕事の幅が大きく広がる」ことなので、転職先は思った以上に見つかりやすいです。無理な会社で続けるのは辞めておいた方が良いです。
電気主任技術者の仕事が辛いわけではないです。責任感は必須ですが、力仕事でもないので慣れれば馴染みやすい仕事だと個人的には感じています。
【事実】電気主任技術者の転職・独立について
電気主任技術者の年収は高くも低くもないです。
- 転職する
- 独立する
年収を上げる方法は主にこの2つです。
ただ、僕自身としてはこれをオススメする場合としない場合があります。特に、独立は難易度がスーパーハードなので生半可な覚悟じゃ成功しませんよ。
転職をおすすめする場合
- 「今の会社がブラック企業だから電験三種を取得して抜け出したい」
- 「安定した業界で仕事したいから転職するんだ」
- 「今の給料が低すぎるからそれなりに貰える仕事に就きたい」
こういった理由の方の転職は大賛成です。
どれも「今の生活が嫌だから良くしよう」といった目的だからです。
安定した職業ですし、年収400万以下の方が平均年収以上を狙うことが十分に可能です。
加えて20代・30代に限らず資格があれば未経験でも仕事先が見つかります。実務経験を満了しているのであれば最強です。
寝る前にでも、求人サイトで色々な求人を見てみると少し気が楽になりますよ。
転職・独立がNGな場合
- 「年収1,000万になるために転職する」
- 「独立して年収1,000万以上を目指す」
こういった理由の転職・独立はNGです。
特に、電験三種だけの資格と経験でこれを目指すのは絶対に辞めてください。
転職・独立直後に年収が600万以上になったりしません。
独立であれば、自分の力で営業して顧客を増やし続けて安定し始めてようやく視野に入る年収です。あと、初期投資が笑えないレベルなので覚悟無くして成功はありません。
- 電験二種
⇒電験三種の3倍くらい難しい - 電験一種
⇒電験二種の2倍くらい難しい
年収600万以上を目指すなら「電験二種」は必須です。
特別高圧で受電している超大型の電気設備の電気主任技術者になれるため、年収600万~1,000万円も視野に入ると言われています。
ただ、その分「問われる責任の重さもかなり重い」です。
経験を積んで1人前になった後は目指してみても良いと思いますが、経験が浅い段階は「年収を上げる」のではなく「年収を安定させる」ことを最優先した方が良いですね。
▷▷関連:電気主任技術者の独立について
【結論】安定が電気主任技術者の1番の魅力
以上を持って最終結論です。
電気主任技術者の魅力は安定していることです。AI技術が普及しても生き残るので平均年収以上で安定した職に就きたい方にはオススメの仕事です。また、人手を欲しているので入りやすい業界でもありますよ。
上記のとおりです。
補足しておくと、電気事業法(電気の法律)にて主任技術者の設置が定められているため数年以内に無くなることは決してありません。
また、知識や技術・コミュニケーション能力も必要になるので、間違いなく点検者に付加価値のある仕事になります。そういった仕事はAIでは変わることができないです。
これは個人的な意見ですが、色々な事業者の方やお客さんと話すのは楽しいです。
時には、1企業の幹部クラスの人と普通に話せることもあるので、意外とこの仕事は凄かったりするのかも知れませんね。
技術者としても1人の人間としても成長させてくれる仕事です。
もし、電気の仕事で何か職を探しているのであれば、「電気主任技術者」を目指してみてはいかがでしょうか?