第二種電気工事士は、通称、電工二種と呼ばれる試験です。
本記事では、上記の疑問を解決します。
第二種電気工事士は、毎年約50%近くの人が合格しています。いずれも一発合格の受験者です。決して簡単な資格ではありませんが、初心者の方でも効率良く勉強することで一発合格が十分狙えます。
上記を深掘りして解説します。
第二種電気工事士の受験を前向きに検討している方は、必見です。
本記事の内容
上記の3本立てです。
第二種電気工事士の難易度と合格率を勉強のポイントつきで詳しくご紹介します。
少しの間、お付き合いください。
本記事の信頼性
本記事を書いている僕は、第二種電気工事士を含む電気の資格を複数取得済みです。電気資格に関する案件も50件以上受注しています。
第二種電気工事士の難易度と合格率について
結論としては、第二種電気工事士の難易度は低く合格率の高い資格なので積極的に取得を狙いましょう。
第二種電気工事士の難易度
第二種電気工事士の難易度偏差値は「44」とされています。電気資格の中では簡単な部類に位置する資格です。そのため、基礎理論を中心に出題されます。
基礎理論というのは、簡単に言えば「電気の基礎的な知識」のことなので、今まで電気を勉強したことがない方でも1か月程度の勉強で身につきます。
工業高校の電気科等に通っている方であれば、簡単に感じるほどです。1問当たりの配点は2点で全50問のうち30問以上の正答(60点以上)で筆記試験に合格可能。
実技試験も候補問題が事前に公表されるので、試験日までに必要な対策を十分に取れます。計画的に効率よく対策すれば合格は難しくない試験です。
第二種電気工事士の合格率
ここで、第二種電気工事士の具体的な合格率を解説します。
過去5年間の実施データを基にして難易度をみていきましょう。
年度 | 時期 | 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
令和2年度 | 上期 | 筆記試験 | ※中止 | ※中止 | ※中止 |
実技試験 | 6,884人 | 4,666人 | 67.8% | ||
下期 | 筆記試験 | 104,883人 | 65,114人 | 62.1% | |
実技試験 | ※追記 | ※追記 | ※追記 | ||
令和元年度 | 上期 | 筆記試験 | 75,066人 | 53,026人 | 70.6% |
実技試験 | 58,699人 | 39,585人 | 67.4% | ||
下期 | 筆記試験 | 54,794人 | 47,200人 | 58.5% | |
実技試験 | 41,680人 | 25,935人 | 62.2% | ||
平成30年度 | 上期 | 筆記試験 | 74,091人 | 42,824人 | 57.8% |
実技試験 | 55,612人 | 38,586人 | 69.4% | ||
下期 | 筆記試験 | 49,188人 | 25,497人 | 51.8% | |
実技試験 | 43,490人 | 39,786人 | 64.8% | ||
平成29年度 | 上期 | 筆記試験 | 71,646人 | 43,724人 | 61.0% |
実技試験 | 55,660人 | 39,704人 | 71.3% | ||
下期 | 筆記試験 | 40,733人 | 22,655人 | 55.6% | |
実技試験 | 25,696人 | 16,282人 | 63.4% | ||
平成28年度 | 上期 | 筆記試験 | 74,737人 | 48,697人 | 65.2% |
実技試験 | 62,508人 | 46,317人 | 74.1% | ||
下期 | 筆記試験 | 39,791人 | 18,453 | 46.4% | |
実技試験 | 22,297人 | 15,899人 | 71.3% |
※スクロールすると動きます。
上記が過去5年間における合格率です。
第二種電気工事士の合格率は約50%と高い水準を保っていますが、油断は大敵です。半分近くの人が不合格となるので、しっかりと対策を練りましょう。
また、実技(技能)試験よりも筆記試験の合格率が低いので、まずは筆記試験の攻略から始めてください。実技試験の対策は筆記試験の合格後からでも間にあいます。
第二種電気工事士の試験詳細
第二種電気工事士は、筆記試験と実技試験があります。
それぞれの試験詳細を簡単にみていきましょう。
筆記(学科)試験
項目 | 詳細 |
---|---|
出題形式 | マークシート形式 |
出題時間 | 120分 |
出題数 | 50問 |
配点 | 1問あたり2点 |
合格基準 | 60点以上(30問以上の正答) |
受験資格 | 年齢や学歴に関係なく、誰でも受験が可能です。 |
試験科目 | 1.電気に関する基礎理論 2.配電理論及び配線設計 3.電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 4.電気工事の施工方法 5.一般用電気工作物の検査方法 6.配線図 7.一般用電気工作物の保安に関する法令 |
※スクロールすると左右に移動します。
実技(技能)試験
項目 | 詳細 |
---|---|
出題形式 | 出題された配線図を一定時間内に施工する |
出題内容 | 全13問の候補問題より1問出題 |
試験時間 | 40分 |
合格基準 | 結線の正誤、欠陥の有無 |
受験資格 | 筆記試験の合格者もしくは免除者のみ |
施工事項 | 1.電線の接続 2.配線工事 3.電気機器及び配線器具の設置 4.電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工事の使用方法 5.コード及びキャブタイヤケーブルの取付け 6.接地工事 7.電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定 8.一般用電気工作物の検査 9.一般用電気工作物の故障箇所の修理 |
※スクロールすると左右に移動します。
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▷▷第二種電気工事士の試験日と合格発表日
▷▷第二種電気工事士の試験地と試験会場
第二種電気工事士を取得するメリット
第二種電気工事士を取得するメリットは、主に3つあります。
結論としては、第二種電気工事士の取得はおすすめできます。
AI時代でも変えられない仕事
近年、AIやIoTといった技術が発達しています。それに伴い10年後になくなる仕事といった話が話題を集めていますが、電気系の職業は生き残りやすいと言えます。
確実とは言い切れませんが、生き残るだろうと強く言える大きな理由として「技術系の職業は技術者に付加価値がつく仕事だから」です。
特に、電気工事士は電気工事を繊細に扱う職業なのでAIやIoTでは役割を担えません。電気設備も増加しているので今すぐにAIと切り替えるのは困難です。
このように、電気工事士の需要は増加傾向にあり、第二種電気工事士は安定している側の職業なので、取得するメリットはかなり大きいと言えるでしょう。
需要が高く将来性がある
第二種電気工事士は、取得することで未取得の人よりも転職や就職で有利となります。需要も高く将来性の高い資格です。
電気は、今現在の社会を支える上で必要不可欠な存在となっているため、これからも需要は更に高まっていくでしょう。それに伴い第二種電気工事士の需要も高まります。
1 | 工場やビル |
---|---|
2 | 自動車メーカー |
3 | エアコンなどの家電製品設置工事 |
4 | 業務用機器の設置、保守点検 |
上記のとおり、様々な現場で活躍できます。資格を取得するまでの難易度に対しての需要と将来性の高さが第二種電気工事士を取得するメリットです。
取得するまでの勉強で電気の基礎知識は身につくので、取得後は第一種電気工事士などの上位資格に挑戦してみるのも良いでしょう。
経験や技術力の向上につながる
第二種電気工事士は、試験に合格すると免状が交付されますが、そこから実際の経験と技術を得ることで技術者としての価値が更に高まります。
未取得者よりも資格保有者が有利となるように、未経験者よりも経験者の方が企業からは重宝される人材です。
資格取得のみでも資格手当を狙えるといったメリットがありますが、資格取得を狙うのであれば、実践的な経験から更に自分自身の価値を高めましょう。
第二種電気工事士の試験は電気資格の中で難易度の低い試験に分類されるので、初心者の方でも入門としておすすめの資格です。
積極的に取得を狙いましょう。
第二種電気工事士に合格するまでの勉強方法
第二種電気工事士の勉強方法がこちら。
主に3つのことを把握する必要があります。
サクッとみていきましょう。
勉強時間は各試験50時間
第二種電気工事士の勉強時間の目安としては、各試験で50時間と言われていますが、これは受験する方の環境や実力によって異なります。
ゼロからスタートするのであれば各試験50時間程度ですが既に電気を専攻している方であれば40時間程度の勉強でも合格する力は身につきます。
1日2時間の勉強を20日継続することで試験範囲は網羅できます。あとは、自分に足りない知識や技術を繰り返して身につけるだけです。
筆記(学科)試験と実技(技能)試験の勉強方法は、次項で解説します。筆記(学科)試験に合格した後、実技(技能)試験の対策を始めるのもOKです。
筆記(学科)試験の勉強方法
筆記(学科)試験の勉強方法がこちら。
- 過去問を繰り返し解く
- 解けない問題を減らす
- 評価の高い参考書を選ぶ
上記のとおり。
要するに、評価の高い参考書を選んで知識を身につけ、繰り返し問題を解いて効率よく対策しようということです。
筆記試験は効率よく勉強することで、合格する力は身につきます。1問解けるまでの時間は比較的長くありません。
最初は、解ける問題を増やすことに力を入れて、後半は解ける問題ばかりではなく解けない問題を解けるようにすることに力をいれましょう。
勉強方法や参考書については、次の記事を参考にしてください。
▷▷第二種電気工事士の筆記試験に合格する勉強方法
▷▷第二種電気工事士でおすすめの参考書
実技(技能)試験の勉強方法
実技(技能)試験の勉強方法がこちら。
- 複線図をマスターする
- 候補問題を2~3周施工する
- 欠陥を把握して施工する
上記のとおり。
この3つを攻略できれば合格する力は必ず身につきます。
というのも、第二種電気工事士の実技試験は全13問の候補問題のうち1問が出題されるので、複線図をマスターすると時間短縮につながります。
同様に、事前に候補問題を施工しておくことで自分自身の実力がアップし施工速度が上昇します。つまり、本番での1番の不安が欠陥の有無です。
欠陥の有無は事前にある程度おさえておくことで、間違いに気づきやすくなります。加えて、欠陥をせずに施工することにもつながるので事前の把握は大切です。
次の記事を参考にして実技試験を効率よく対策してください。
▷▷第二種電気工事士 候補問題の単線図と複線図
▷▷実技(技能)試験における欠陥と判断基準
▷▷実技(技能)試験におすすめの工具セット
まとめ:第二種電気工事士は取得して損なし
第二種電気工事士は、難易度が低いので一発合格が十分に狙える資格です。1日2時間の対策を約2ヶ月継続しましょう。
僕自身も一発合格で取得しました。その結果から言うと一発合格は十分に狙える資格だと言い切れます。半分の合格率に入れるか否かは結局のところ試験日までの対策次第ですね。
上記は僕の経験談です。
電気資格の一歩としては非常におすすめなので、取得して損はありません。
就職や転職でも求人が多く見つかりますし、今後の社会を考えて第二種電気工事士の需要は増加するので、将来性も高い資格です。
明日からではなく今からが大切。
早速、自分にできる対策を始めてください。
何から始めたら良いか分からない方は、次の記事が参考になれば幸いです。
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▷▷電気工事士の実技試験でおすすめの工具セット
▷▷第二種電気工事士に強いおすすめの通信講座