電気主任技術者の仕事は9割が”点検”です。
点検の種類は主に3つあり、それを覚えて仕事をしていきます。
本記事では、こういった疑問を解決します。
電気主任技術者は、実務経験を終えてからがスタートなので仕事が覚えにくいことに劣等感を抱く必要はありません。技術者としてレベルアップするのであれば電気の知識とコミュニケーション能力だけでOKです。
上記を深掘りして解説します。
電気主任技術者の仕事内容について詳しく知りたい方は、必見です。
本記事の内容
- 電気工事士の仕事内容と1日について
- 電気主任技術者に従事した感想
上記の2本立てです。
電気主任技術者が集まる企業への就職・転職を考えている方向けに解説します。
さっそく、見ていきましょう。
本記事の信頼性
本記事を書いている僕は、電気会社経験済みのブログ歴2年です。
電気の資格を複数取得しており、案件を50件以上受注しています。
電気主任技術者の仕事と1日について
電気主任技術者の仕事と1日について「3つのポイント」に分けて解説します。
- 電気主任技術者の仕事場所
- 電気主任技術者の仕事内容
- 電気主任技術者の1日と働き方
サクッと見ていきましょう。
電気主任技術者の仕事場所
結果からお話しすると上記画像の設備にて仕事をしています。
細かな説明は省いて簡単に紹介すると上記設備は「キュービクル」と呼ばれる電気機器を収納した箱のような電気設備です。【語源はキューブ(箱)から】
- 建物の外
- 建物の屋上
- 建物内の電気室
こういった場所にて設置されていることが多いです。
意識して見てみると結構見かけます。「百聞は一見に如かず」と言いますし、1度探してみてくださいね。
また、こちらをご覧ください。
1.事業用電気工作物には保安の監督者が必要
2.保安の監督者とは『電気主任技術者』のこと
3.電気主任技術者=主任技術者免状の交付を受けている者引用:電気主任技術者とは?
これは、「電気主任技術者の仕事=事業用電気工作物の保安・監督」というのをまとめた法律になります。
「事業用電気工作物ってどんなもの?」ってた方は少なくないはずです。
言ってしまえば、キュービクルのような電気設備が事業用電気工作物になります。
こういった設備の「保安・管理」が主任技術者の仕事です。
画像と一緒に仕事場所をイメージしておきましょう。
電気主任技術者の仕事内容
電気主任技術者の仕事内容は「点検」です。
ただ、点検には3つの種類があり、3つとも覚える必要があります。
- 月次点検
- 年次点検
- 竣工検査
これが仕事内容の中心になります。
ざっくり解説しておくと、1番触れる機会が多いのが「月次点検」で体力が1番必要なのは「竣工検査」です。
月次点検
電気主任技術者として働く中で1番触れることの多い点検です。
仕事場所は「キュービクル」で、電気設備に異常がないかを計測器を用いて測定し、点検していきます。
- 電圧・電流の測定
- 漏れ電流の測定
- 電気機器の外観点検・温度測定
- その他異常の有無の確認
点検内容としてはこんな感じです。
設備によって変わりますが、基本的には「1か月に1度」の頻度で点検します。
1番多く触れるのでチェックしておきましょう。
年次点検
年次点検は年に1度、設備の電気を停めて行う点検です。
仕事の内容としては「月次点検の内容をより細かく点検する」だけになります。
- 月次点検の内容
- 絶縁抵抗測定
- 接地抵抗測定
こんな感じです。
電工二種や電工一種で勉強した「絶縁抵抗測定」なんかも実施します。
年次点検は1人で点検することはありません。必ず何人かで班を組んで実施します。停電時間にも限りがあるので、連携を取りながらスムーズに行うことが必要な点検になります。
月次点検よりも難しいところが多くあります。
ただ、試験器の操作は思ったよりも楽しいですよ。
竣工検査
竣工検査は「電気設備がこれから安全に使えるか」をチェックする検査です。
自家用電気工作物の電気工事を行った場合、完成時に、それが工事計画図書や法令等に合致して施行されているか、また設備が必要な能力を有しているか等を設置者が自主的に確認するために、点検、試験等による竣工検査が行われる。
引用:日本電気技術者協会
上記のように定められています。(軽く目を通すくらいでOK)
竣工検査は次の点検・測定を実施します。
- 外観点検
- 接地抵抗測定
- 絶縁抵抗測定
- 絶縁耐力試験
- 保護装置試験
上記のとおりです。
電験三種の「法規」の内容が多く登場する検査なのでチェックしておきましょう。
余談ですが、企業によっては法規の内容を就職試験で出題する場合もあるので、電験が終わった後でも復習が必要になります。【経験談】
竣工検査は数ある点検の中で1番力を必要とします。検査対象の建物が建設途中で足場が整っていない状態で点検することが多いからです。
電気主任技術者の1日と働き方
管理人が勤めていた時の1日はこんな感じです。
8:10 | 出勤 |
---|---|
8:30 | 朝礼 |
9:00~12:00 | 点検(月次点検or年次点検の応援) |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~16:00 | 点検(月次点検or年次点検の応援) |
16:00~17:30 | 事務処理 |
17:30 | 退社 |
車での移動時間は1人だったりするので自由度は高めです。
色々な人と話せるのが、この仕事をしていて楽しいなって思える部分でした。
休日出勤は定期的に存在する
仕事に就くうえで絶対に気になるのが「休日出勤の頻度」ですよね?
結果としては、1か月に3~4回は休日出勤を覚悟しておいた方が良いです。
管理人が勤めていた時は大体このくらいのペースでした。休日に働いた分は平日に代休を取るか時間外にするかで選ぶことができます。
時間外は月20~30時間、多いときは40~50時間ぐらいでしたね。
- 代休を取得するか
- 時間外手当を狙うか
それは、あなた自身の好みによります。
管理人は休み第1優先だったので代休ばかり取得していました。
求人票にこのような記載があった場合は、必ず疑ってください。
- 完全週休2日制
- 時間外10時間
※求人票を見る際の注意点は次の記事でも紹介しています。
https://denkou-goukaku.com/syunin-kyuuzin/
【経験談】電気主任技術者の仕事に就いて思うこと
この仕事には「電験三種」が必須です。
ただ、仕事に就いて思うのが法規以外ほとんど使う機会がないですね。
取得することが無意味というわけじゃなくて「取得するのと同じ以上に」大切なことが存在します。
【結論】コミュニケーション能力が重要
これが結論です。
自分のお客さんともそうですし、組作業をする中で大切なのが「意思疎通」です。個人的にはそっちの方が重要だなって思いました。
コミュニケーションさえしっかりしていれば後は何とでもなります。ただ”適当に仕事をして良い”というわけではないので誤解しないでください。
上記のとおりです。
- 電気設備の異常に気づいた
- 電気的に良くないと判断 ←法規の知識が必要
- 点検結果の説明
こういった中で大切なのが「気づいたことをいかに相手に分かりやすく伝えるか」ということです。
専門用語ばかりでは、絶対に相手は分かりませんし動いてくれません。
そういった面で”コミュニケーション能力”がものすごく大事になってくるわけです。
仕事は実務経験の間で勝手に覚える
「電験三種は取得したけど仕事についていけるか不安だ…」
そこは問題なしです。
僕自身、電験三種で勉強した内容は7割忘れている状態で入社しましたが何とかなりなりましたし、何とはなしに覚えているだけで十分ですよ。
必要な知識や技術は「仕事の中で勝手」に覚えます。
実務経験には少なくとも5年の歳月を費やすことになるので、普通に働いていれば3年たつ頃にはほとんどの業務はこなすことができるでしょう。
一般的な企業であれば1年で覚える必要がありますから、3年近くは猶予が多いということになりますね。
5年も仕事をしていれば必要なことは勝手に覚えています。それよりかはその5年間のうちで先ほど述べた”コミュケーション能力”の方を身につけてください。
そっちの方が本当に大切な仕事になるので。
最後にもう一度だけ。「自分の能力で仕事に追いついていけるか」なんてものは考えなくても大丈夫です。
未経験からでも全然OKでした
「電験三種を取得しただけの未経験ですけど大丈夫ですか?」
答えは「Yes」です。
気にすることなく、思う存分働けます。
というのも、電気業界は”人手不足”に悩んでいます。特に「電験三種を取得している人材」となると喉から手が出るほど欲しがります。
管理人も含めて、最初は誰もが未経験です。30代の人でも転職してくる人はいましたし、20代であれば悩むこともないですよ。
管理人も、未経験の状態で入社しましたが「半年~1年」もあれば大体のことはこなせるようになりました。
「自分が未経験者」であることは、深く悩まなくてOKです。
さいごに
電気主任技術者の仕事は
- 知名度が低く
- 地味な仕事です
しかし、その中に多くの魅力が詰まっているのがこの仕事です。
「電気業界を陰から支えている立役者」
これ、「縁の下の力持ち」って感じがして格好良くないですか?
後は単純に「点検が楽しい」のが1番大きいです。一企業へ点検に行って”アポ無し”で幹部以上の人と話せるのって電気主任技術者くらいです。
もし、この職業に就職・転職を考えているならもっと『前向き』に考えていきましょう。